内容説明
認可夜間保育園はなぜ増えないのか。型破りの保育を実践する夜間保育園に密着取材。“夜の親子”を支え続ける人々の思いとは。
目次
1章 中洲の夜間保育園
2章 真夜中の親子
3章 ベビーホテル
4章 見えない子どもたち
5章 防波堤
6章 陽だまり
著者等紹介
三宅玲子[ミヤケレイコ]
1967年熊本生まれ。ノンフィクションライター。オンラインメディアや週刊誌で「ひとと世の中」を取材。2009年より5年ほど北京へ。2011年より日本人と中国人のゆるやかなプラットフォームBillion Beatsを運営(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
68
偏見と負のスパイラル。小池都知事の本著最後のコメントが、前者を代弁。実情把握にもれなく影響し、的を得ない施策となるのが後者。24/7が必要なのは、外食やコンビニではなく保育!親の仕事云々もあるが、子供の健やかな成長が最優先。加えて、心の交流による大人の拠り所にもなり得る。児童福祉法や虐待防止法などの法整備も、中身の現実感を定期的に検証し、必要な是正が大前提。但し、この「現実感」を理解できるかどうかがミソ。『社会の宝』を育むことの意味が問われる。2020/01/22
あやの
56
いろんな児童虐待に関する本を読んだりニュースを見たりする度に、子どもだけでなく、その保護者も含めて支援することが必要だろうと思っていたが、それをまさに実現しているのが、この「どろんこ保育園」だと思った。夜間保育園を現状、設立までの経緯、理念など、理事長の天久さんの使命感の強さを感じた。そして、夜に仕事をするのが普通になっているこの社会で、一個人の使命感を頼りにして多くの家族を支援するだけでは限界があるだろうとも考えさせられた。ただ、このような支援が増えれば虐待で命を落とすような子は必ず減ると思う。2020/02/22
mincharos
45
福岡に実在する夜間認可保育園「どろんこ保育園」と、中洲で働く女性とその子供、その預け先等についてのルポ。また知らなかった世界を一つ知れた。キャバクラや風俗という需要があるからこそ、そこで働く女性がいる。でも彼女たちも子供を産んだら子供の為にも働かなきゃいけないわけで。預け先がないから、赤ちゃんにとって劣悪な環境のベビーホテルに預ける。そういう生活の中、子供も母親も疲弊し、虐待が起きる。。そういう子供と母親を同時にケアしていきたいという強い思いから生まれた夜間保育園。改めて保育士という仕事の難しさを思った。2020/01/28
ゆう。
34
現代社会の働き方は多様である。様々な事情を抱えて夜間の仕事をしている人も多い。しかし、そうした社会に見あった保育制度にはなっていない。本著は24時間保育園の取材を通じて、親支援の必要性と子どもの保育保障を考えることができた。2020/01/23
おかむら
33
博多にある認可夜間保育園のルポ。深夜まで働く親のための保育園。1980年無認可のベビーホテルでの死亡事故が相次いだ(覚えてなかったわ…無関心で恥ずかしい)のを受け厚生省が翌年夜間保育の認可を決定。それから40年近く経ってる今、さほど認可の園が増えてない状況。昼間の園の待機児童問題とかは知ってたけど、夜働く人だってどう考えても昔よりかなり増えてるのに行政が追いついてない。夜まで保育園に預けるなんて可哀想って思い込みがまだ根深くあるのも問題。多様な家族のカタチと支援の必要性を知っとかないとな。2019/10/29