炯眼に候

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 336p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163909684
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

実は信長には、誰よりも物事の本質をとらえる眼があったのではないか。信長の理知的、戦略的な面に光を当てた傑作短編集。

内容説明

鉄砲をどう運用すべきか。毛利水軍に勝てる船とは。どうすれば天候を予測できるか。天下統一までの道にちりばめられた謎を、信長だけが解き明かしていく。もっとも先を見据えていた男が最後に導き出したのは―自らの死後、明智を破る秘策だった。史実を踏まえつつ、独自の着眼でこれまでの信長像を大きく飛躍させる一冊。

著者等紹介

木下昌輝[キノシタマサキ]
1974年奈良県生まれ。近畿大学理工学部建築学科卒。2012年「宇喜多の捨て嫁」でオール讀物新人賞を受賞。14年、受賞作を含む単行本『宇喜多の捨て嫁』が直木賞候補となり、15年に第四回歴史時代作家クラブ賞、第九回舟橋聖一文学賞、第二回高校生直木賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

246
木下 昌輝は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。書き尽くされている織田信長を著者がどう書くか楽しみで読みました。信長炯眼連作短編集、著者ならではの斬新な視点・テーマで感心しました。オススメは『偽首』&『弾丸』です。著者は二度直木賞にノミネートされていますが、三度目の正直、本書で直木賞受賞でも良いかも知れません。但し、炯眼の織田信長が、明智光秀の謀略を見抜けなかったのが不思議です(謎)2019/03/28

いつでも母さん

188
木下版信長!七話全て主役は違う。が、どれもが信長を描いている。こんなにも惹きつけられる人物・信長を木下さんが読ませてくれる。史実を絡めながら信長ならそう言ったかもと思わせてくれる。どれも面白いが好みは『偽首』『軍師』『首級』で、信長の首は何処に眠っているのでしょうね。秘すれば花でしょうか?あちらから信長の視線が届きそうです。タイトルも好きです。2019/03/08

yoshida

171
歴史の革命児・織田信長。旧弊を払い合理的かつ斬新な発想で天下布武を進めた英雄。様々な局面での信長の「炯眼」を、仕えた部下達の視点も交え描いた作品集。気圧や気候の変化による偏頭痛持ちの部下から、気候を読み取る。長篠合戦での鉄砲隊の真の狙い。敵の心理を利用した鉄甲船等。いずれも新しい解釈であり興味深く読む。本作は明智光秀が早くから、信長を弑する為に暗躍する。歴史に「if」は無いが、信長の炯眼で光秀の企みを看破して欲しくもある。短編集ということもあるが、人物描写がやや浅い印象があり勿体ない。とは言え楽しく読了。2019/05/03

あさひ@WAKABA NO MIDORI TO...

124
木下昌輝の信長もの、連作短編集。信長の鋭い洞察力は、今さら言うまでもないが、それをあまり歴史の表舞台には顔を出さないような人たちの逸話をとおして語っているところが新鮮で良かった。短編集の細切れ感は個人的にはどうしても正直ウェルカムとはいかないが、本作は最終章でうまくまとめ上げ、また別な景色への展開へと期待を持たせてくれたところがあって、まあ良かったかなといった感じです。2020/01/12

nico🐬波待ち中

118
家臣等身近な人物による「織田信長像」をまとめた連作短編集。物事を鋭く見抜く力のある信長。確かにこれ程までに世の行く末を見極めた武将はなかなかいない。炯眼によりテッペンまであと少しの所まで登り詰め、家来からの信頼も厚かった信長。けれど一方で、炯眼であったが故に敵も多かったこともまた事実。男の嫉妬は表に出づらいため、知らず知らずの内に根深くなっていくものだ、と改めて知る。ラストの描き方はしてやったり、とちょっといい気分。未だに謎めいた信長の最期も、こういう結末だといいのだけれど。『弾丸』『首級』が良かった。2019/08/25

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/13446942
  • ご注意事項