9つの脳の不思議な物語

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9つの脳の不思議な物語

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  • サイズ B6判/ページ数 317p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163909646
  • NDC分類 491.371
  • Cコード C0098

出版社内容情報

過去を何一つ忘れられない。他人の痛みを自分の肌でも感じる……。脳の「エラー」がもたらす奇妙な人生から、脳科学の最先端を描く。◎それは奇跡か、それとも病か?◎



かつて大学で脳を研究し、科学ジャーナリストとなった著者。彼女の趣味は「人とは違う

脳」を持った人々について書かれた医学論文を収集し、読み漁ること。だが、論文を読む

だけでは、患者の人となりは全く見えてこない。ある日、十年間集め続けた論文の山の前

で彼女は思った。「世界中で普通の人々に奇妙な事が起こっている。彼らはどんな生活を

しているのだろう?」――それが、「奇妙な脳」の持ち主たちを巡る旅の始まりだった。





【目次】



■序 章 「奇妙な脳」を探す旅へ出よう

大学で脳を研究していた私は、卒業後にある衝撃的な論文と出会う。この世にはどんな命

令にも必ず従ってしまう“ジャンパー”と呼ばれる人々がいるというのだ。彼らの脳では

一体何が起きているのか。それがこの旅の始まりだった。



■第1章 完璧な記憶を操る

──過去を一日も忘れない“完全記憶者”ボブ

これまでの人生の全ての日を覚えている。ごくまれに、そんな記憶力を持つ人々がいる。

その秘密を探るべく、私はボブを訪ねた。彼に最も古い記憶を尋ねると、なんと生後九

ヶ月の時の記憶があると言う。そんなことはありえるのか。



■第2章 脳内地図の喪失

──自宅で道に迷う“究極の方向音痴”シャロン

方向感覚は脳が生み出す最も高度な能力の一つだ。では、それを失うと人はどうなるのか。

それを教えてくれるのがシャロンだ。彼女は自宅のトイレからキッチンへ行こうとして迷

子になる。脳内ではどんなエラーが起きているのか。



■第3章 オーラが見える男

──鮮やかな色彩を知る“色盲の共感覚者”ルーベン

特定の数字に色を見たり、特定の音で味を感じる。こうした共感覚は四%の人に備わって

いるとされる。中には特殊なものもあり、ルーベンは出会う人の多くにカラフルなオーラ

が見えるという。だが不思議なことに、彼は色盲なのだ。



■第4章 何が性格を決めるのか?

──一夜で人格が入れ替わった“元詐欺師の聖人”トミー

「ドラッグ、窃盗、けんか。全部やったよ」と過去を振り返るトミーは、ある夜を境に虫

も殺せない穏やかな性格へと激変し、家族を戸惑わせた。人の性格は脳が決める。その鍵

は左脳と右脳ではなく、上脳と下脳のバランスにあった。



■第5章 脳内iPodが止まらない

──“幻聴を聞く絶対音感保持者”シルビア

幻覚は精神疾患の症状だとされることが多いが、実は誰しもピンポン玉とヘッドフォンを

使えば幻覚を体験できる。なぜ脳は幻覚を生み出すのか。絶え間ない幻聴に悩まされてい

るシルビアの脳をスキャンすると、答えが見えてきた。



■第6章 狼化妄想症という病

──発作と戦う“トラに変身する男”マター

自分が動物に変身したと思い込む狼化妄想症。非常に珍しいその患者、マターに会うため、

私はUAEへ飛んだ。医師立ち会いのもとインタビューを始めるも、彼の様子が急変。低いう

なり声をあげ、「全員を襲いたい」と言い出した。



■第7章 この記憶も身体も私じゃない

──孤独を生きる“離人症のママ”ルイーズ

身体から抜け出たように感じ全ての現実感を失う。一時的にそうした離人症状を経験する

人は多いが、ルイーズは何十年もその感覚の中で生きている。彼女の脳の謎を解くには、

意外にも「人工心臓を入れた男」の研究がヒントになる。



■第8章 ある日、自分がゾンビになったら

──“三年間の「死」から生還した中年”グラハム

「私は死んでいる」ある出来事を機に脳がなくなったと感じたグラハムは、そう訴えて周

囲を当惑させた。彼を検査した医師らには衝撃が走る。起きて生活をしているのに、脳の

活動が著しく低下し、ほとんど昏睡状態にあったのだ。



■第9章 人の痛みを肌で感じる

──“他者の触覚とシンクロする医師”ジョエル

他人が経験した触覚や感情を、自分の身体でも感じてしまう。そんなSFのような人々が実

在する。医師として働くジョエルも、目の前の患者の痛みを身体で感じながら治療に当た

る。なぜ彼の脳は他者と自分を区別できないのか。



■終 章 ジャンピング・フレンチマンを求めて

この旅の始まりとなった不思議な人々“ジャンパー”は全員亡くなったものと考えられて

いた。しかし、私は友人から届いた動画に、まさしく“ジャンパー”が映っていることに

驚く。ノルウェイで会社員として働く彼に会いにいった。

ヘレン・トムスン[ヘレン トムスン]
著・文・その他

仁木 めぐみ[ニキ メグミ]
翻訳

内容説明

かつて大学で脳を研究し、科学ジャーナリストとなった著者。彼女の趣味は「人とは違う脳」を持った人々について書かれた医学論文を収集し、読み漁ること。だが、論文を読むだけでは、患者の人となりは全く見えてこない。ある日、十年間集め続けた論文の山の前で彼女は思った。「世界中で普通の人々に奇妙な事が起こっている。彼らはどんな生活をしているのだろう?」―それが、「奇妙な脳」の持ち主たちを巡る旅の始まりだった。

目次

序章 「奇妙な脳」を探す旅へ出よう
第1章 完璧な記憶を操る―過去を一日も忘れない“完全記憶者”ボブ
第2章 脳内地図の喪失―自宅で道に迷う“究極の方向音痴”シャロン
第3章 オーラが見える男―鮮やかな色彩を知る“色盲の共感覚者”ルーベン
第4章 何が性格を決めるのか?―一夜で人格が入れ替わった“元詐欺師の聖人”トミー
第5章 脳内iPodが止まらない―“幻聴を聞く絶対音感保持者”シルビア
第6章 狼化妄想症という病―発作と戦う“トラに変身する男”マター
第7章 この記憶も身体も私じゃない―孤独を生きる“離人症のママ”ルイーズ
第8章 ある日、自分がゾンビになったら―“三年間の「死」から生還した中年”グラハム
第9章 人の痛みを肌で感じる―“他者の触覚とシンクロする医師”ジョエル
終章 ジャンピング・フレンチマンを求めて

著者等紹介

トムスン,ヘレン[トムスン,ヘレン] [Thomson,Helen]
ジャーナリスト。ブリストル大学で神経学の学位を取得後、インペリアル・カレッジ・ロンドンでサイエンスコミュニケーションを学ぶ。卒業後は「ニュー・サイエンティスト」誌で8年間編集者を務め、その後フリーに。現在はBBCや「ガーディアン」紙、「ワシントン・ポスト」紙等に出演・寄稿している

仁木めぐみ[ニキメグミ]
翻訳家。東京都出身(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

rosetta

30
オリヴァー・サックスの『妻を帽子と間違えた男』(1985)から34年これは21世紀版『妻を帽子』である。タイトル通り脳機能、認知について特殊な症状を見せる9人の人物と実際に会ってインタビューし世界中の研究者に連絡を取り古い文献を調べた。人生の全ての一日を覚えている、自宅のキッチンからトイレに行こうとして迷子になる、目の前の人の感覚を自分も味わう、色盲だが人の周りにカラフルなオーラを見る。医療機器やスキャニングが進歩しDNAの地図が描ける時代になっても脳の器質には問題がなければ原因は解明されていない。2019/12/25

ケニオミ

22
書評を読んで、亡きオリヴァー.サックスの衣鉢を継ぐ人ではないかと期待して読み始めましたが、ほぼ読了時に挫折してしまいました。サックス氏の次の言葉「誰かを本当に理解し、彼らの内面のヒントになることを知るためには、その対象を分析したいと思う欲求を抑え、その人と率直で穏やかな関係を築き、彼らがいかに生き、考え、自らの人生と立ち向かっているかを知るべきだ。何か極めて神秘的な働きを知ることができるのはそういうときだ。」について、著者はその努力はしているが、極めていないようです。それは主に人柄と才能が原因でしょうね。2019/04/26

くさてる

21
「脳」のエラーで様々な能力を得た人々に関する9つの物語。著者はサイエンスライターということで、興味本位な語りにはなっていない。ひとつひとつの症例も興味深くて、人間ってほんとうに脳の生き物だなと思ってしまう。ただ、うまく言えませんが、著者が目指すオリヴァー・サックスの著書に感じられるような、人間存在への無邪気な感嘆のようなもの、明るさのようなポジティブな要素がもう少し見つかったらなと思いました。2019/05/05

ときわ

20
オリバー・サックスの時代と違うのは、今は脳の外側からだけではなく内部をかなり調べることが出来るようになったことだ。同じ状況にあるとき、多くの人は脳のここが活動しているのに、この人の脳は違うところが活動していたり、ほとんど活動していなかったりすることが、客観的に分かるってすごい進歩だと思う。だからどうしたらいいのか分からなくても、「気のせい」ではないことが他の人に分かってもらえるだけで、救われる人もいるのではないか?こんなに違う見え方や感じ方は、ほんのちょっとの脳の違いだということに驚く。2019/08/21

おかだん

13
この手の本はとても好きなのだが、御大サックス先生以外、良書に会うことはなかった。どの本も文章が良くなく、検知が優れていれば人物の描写がまずく、バランスも悪く、何より人物に対しての心が感じられない。こちらはまだ駆け出しに関わらず思慮に富んでいて、患者(と、呼んでいいのか悩むが)が世界と関わってきた過程や心理的な所まで考察し、何より暖かい血の通った見方が好ましい。サックス先生にインスパイアされて書き出したとの事だが、さもありなん。次作も楽しみだ。2019/09/07

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