光の人

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光の人

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  • サイズ 46判/ページ数 352p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163908977
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

戦後、国から見捨てられた孤児千人を救った男。「プロジェクトX」元プロデューサーの著者が、実在の人物をモデルに描く感動の物語。戦後、1000人の孤児の生を支えたひとりの男がいた!



NHK「プロジェクトX」の元プロデューサーが描く、実在の人物をモデルにした感涙の物語。



太平洋戦争当時、東京大空襲などによって、多くの戦災孤児がうまれました。戦後の混乱のなか国の支援もなく、両親も家も失った孤児たちは、ある者はなすすべもなく命を失い、またある者は生きるために悪の道を受け入れざるをえませんでした。

その孤児たちに手を差し伸べたのが、本作『光の人』の主人公、門馬幸太郎です。二十代の若き門馬は教師の職を投げ打ち、収入の見通しもないまま、孤児たちとの共同生活を始めます。

実は、この小説には実在のモデルがいます。NHK「プロジェクトX」のプロデューサーだった著者の今井彰さんは、パーソナリティをつとめるラジオ番組でこの人物に出会いました。その生き方に心を打たれた今井さんは以来、取材を重ね資料を集め、書き下ろし小説として、彼の人生を結実させたのです。

食糧難から親の虐待へ。孤児たちが味わう苦しみの様相は時代とともに変わりますが、門馬は公的な支援がないまま、その一切から逃げることなく、戦後1000人の孤児を育てました。その背景には、門馬自身の悲惨過ぎる戦争体験がありました。

こんな素晴らしい男が日本にいたのか。そんな圧倒的な感動と衝撃に言葉を失います。読めば絶対に泣けてしまう、心を揺さぶる感動巨編の誕生です。

今井 彰[イマイ アキラ]
著・文・その他

内容説明

六十七年前、東京大空襲で家族全員を失い、日本階級社会の底辺である孤児の群れに転がり落ちた。無残な戦後だった。救い出してくれたのは門馬幸太郎であった。仙蔵にとって門馬は、至純の愛を体現した奇跡の人であった。NHK「プロジェクトX」を作った名プロデューサーがどうしても書きたかった、実在の人物をモデルにした涙あふれる感動巨編。着想から六年。この国の歴史には記されなかった切なく雄々しい愛の物語。

著者等紹介

今井彰[イマイアキラ]
1956年大分県生まれ。NHKで番組制作に携わり、「タイス少佐の証言」が文化庁芸術作品賞、「埋もれたエイズ報告」は日本ジャーナリスト会議本賞を受賞。「プロジェクトX~挑戦者たち」の制作を統括し、菊池寛賞、橋田賞を受賞。エグゼクティブプロデューサーに。退職後、小説『ガラスの巨塔』を上梓(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しいたけ

120
泣ける本になかなか巡り会えないと嘆いていた。そういうことか。この本と出会うまで、安易な本で妥協して泣く必要はないとの思し召しだったのか。物語の主人公門馬幸太郎は、長谷場夏雄として実在する。戦後わずか17歳の少年が、千人の孤児たちの未来のために我が身を捧げた。子どもらにとめどなくそそぐ光は、私たちが気軽に使う「愛」という言葉では表せないほど神々しい。結末に明かされる門馬が背負う十字架。孤児らが喉から血まみれの手が出るほど欲しかった赦し愛してくれる存在。家族の温もり。求めていたのは門馬も同様だった。泣き通し。2019/03/24

あやの

54
また一人、この国の子どもの福祉を支えてきた(創った)人物を知ることができた。小説ではあるが、かなり事実に基づいているのではないかと推測している。戦争孤児の救済に始まり、棄児となってしまった子どもを長年にわたり救ってきた門馬幸太郎の生涯が描かれる。そして、救われた子ども達の生きざまも……どの人生も余りに苦しく、孤独で、よくみんな生き抜いて来たなぁと思う。どん底に陥った時に、信頼できる人に出会えるかどうかが分かれ道になってしまうのか。どんな子供にも「光の人」が存在する国であってほしい。2022/05/21

ぶんこ

52
戦災孤児というと澤田美喜さんしか知りませんでした。国の政策から取り残された15歳以上の孤児の実情に一念発起して「命の家」を立ち上げた門馬幸太郎さん。「来るものは拒まず」の精神で受け入れ、「十分に甘えさせながら優しく強い心を育てる」と、お腹いっぱい食べさせ、良いところをいっぱい褒めて、しっかりと抱きしめる。人間としての扱いを受けてこなかった多くの孤児たちを「尊敬」していた幸太郎さん。居場所と誇りに思える仕事と仲間たちを一緒に作り上げた長い日々。何よりも上から目線ではなく、愛しい子供のパパとしての毎日に感動。2020/03/30

吾亦紅

45
戦災孤児のために、自分のすべてを捧げた人。国が責任を放棄した15歳以上の孤児たちに、ごはんを食べさせ寝る場所を与え、仕事を与えるために奔走し、そして何よりも愛情を惜しみなく与え続けた。大きな溌剌とした声と破顔する笑顔で子どもたちを元気づけ、勇気づけ、子どもたちは生きる力と喜びを得た。この主人公門馬幸太郎は実在の人物がモデルとのこと。圧倒されました。もっともっとたくさんの人に、この本を手にしてもらいたいと思います。「この国は優しくない」2020/01/27

ばんだねいっぺい

37
 この国にこんな人がいたんだと胸のすく思いがした。並大抵の決意では成し遂げられぬ万人が迂回する茨の道を、大勢の子どもたちを尊敬の眼差しで見つめ、心を通わせながら、歩ききった人の姿の美しさ。この本は、この登録数じゃ足りない。もっと多くの人に読まれるべきと思った。2019/09/07

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