メガネと放蕩娘

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  • サイズ B6判/ページ数 256p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163907505
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

とある地方都市で市役所勤めをしているタカコ。

彼女の実家は商店街にあるウチダ書店だが、最近、客足は途絶えっぱなし。

かつて栄えていたこの商店街は、いまやシャッター街も同然なのだ。

そんな瀕死の商店街に、10代で家を出たタカコの妹、ショーコが突然帰ってきた。

臨月のお腹を抱えて……。



東京でカリスマ店員として働いていたショーコが、商店街再興を目指して動き始める。

デイケアと保育所をあわせた施設の企画、商店街をあげてのファッションショー、

大学生ステイ受け入れや、マンスリーショップの運営。

商店街で生まれたショーコの娘、街子も商店街とともにすくすく育っていく。



ショーコの活躍で一時的に賑わいを取り戻したかに見えた商店街だったが、それも束の間。

個人の努力ではどうにもならない、思いもよらぬ結末が待ち受けていた。



山内さんが地元、富山の商店街を徹底取材。

なぜ商店街がさびれていくのか、それを止めるためにどんなことができるのかを

真摯に考えながら書いた、社会派エンタメ小説です。

内容説明

著者が地元、富山の商店街を徹底取材。なぜ商店街はシャッター通りと化していくのか、止めるためにどんなことができるのか。真摯に向き合って描いた、渾身の社会派エンタメ!街を変えるキーパーソン!?よそ者・バカ者・若者が姉妹の元に集結し、ついに動き出す…!

著者等紹介

山内マリコ[ヤマウチマリコ]
1980年、富山県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒業。2008年「十六歳はセックスの齢」で女による女のためのR‐18文学賞・読者賞を受賞。12年『ここは退屈迎えに来て』で単行本デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おしゃべりメガネ

160
山内さん作品は二作目となりました。インパクトあるタイトルにつられ、手に取りましたがとても読みやすく、すんなり読了できました。寂れた商店街再生、復興を目指すお話で主人公は、その商店街な老舗書店を構えているまじめで堅実な'メガネ'長女「タカコ」と自由奔放なシングルマザーであり'放蕩娘'の次女「ショーコ」の姉妹です。商店街なる'組織'がどういうモノなのか、成り立ち?含め色々と勉強になりました。話の最後はまさかの展開に驚かされましたが、その'ほっこり'感は、ホロッと優しく涙腺をゆるませてくれりステキなお話でした。2017/12/31

モルク

129
地方のシャッター商店街を再生しようとするウチダ書店の姉妹。地域活性化戦略の大学の先生と知り合い、その学生たちの若い意見や協力を得ながら奮闘するが、商店街の中でも温度差があり、厳しい現実にぶち当たる。成る程、シャッター通りといってもなぜ店舗を貸したりしないのか、また閑古鳥が鳴き暗くやっているかもわからない店でも閉めない理由とか、この本で解明。県都といわれる都市であっても、郊外のショッピングモールに客をとられ、県外から進出していた店舗や会社が次々撤退し夜も早々に人通りがなくなる。昔の賑わいが懐かしい。2018/10/29

yuyu

123
王様のブランチで紹介されていて、図書館に走る。毎日通る商店街がモデルになっているとのことで、ワクワク、ドキドキ!フィクションとはいえ、あまりにもリアル過ぎて、頭が混乱。「あーっ、昔の賑わい、そうだったなぁ。今はこんなもんじゃないくらいに寂れてるし…」、心の中で呟きながら、半分ノンフィクションとして読了。賑わい創生のために頑張るタカコとショーコの姉妹、そして、少しずつ変わっていく商店街。でも、この本を抱えながら歩く実際の商店街は…はぁ、虚しい。虚し過ぎる。中央通り商店街、富山市役所の方々にぜひ読んでほしい!2018/01/20

なゆ

106
さびれゆく商店街の本屋の姉妹がかつての賑やかさを取り戻そうと奮闘する話、というと単純にありがちなストーリーっぽいんだが、これは違う。商店街に身を置く者としてはリアルすぎてリアルすぎて耳が痛いわ身につまされるわ…とにかくつらい。地方のさびれゆく商店街の実情と問題点がグッサグッサこれでもかと。ここまで突っ込んで書かれたのは初めてじゃなかろうか。正直、うまくいきすぎな部分はお話し的には仕方ないが、ショ-コの無鉄砲な勢いは気持ちよかった。時代の流れは止まらない。こういう風に変わっていくしかないんだろうな。(涙目)2018/01/16

おたけஐ೨💕🥒🍅レビューはボチボチと…

96
84/100点 ある地方都市のシャッター商店街になった地元を再生しようと奮闘する姉妹を描いた物語。ちょっと前に同じような問題を描いた『ねこ町駅前商店街日々便り』を読んだところなので、問題への切り口や解決の取り組み方法などの違いを興味深く読むことが出来ました。どちらの作品も、現状を"なんとかしたい"と思っている人は確かに存在しますが、それを実際に変化を起こし定着させていくのは、どれだけ難しいかが切実に伝わって来ます。ラストが上手く行きすぎなところはありますが、地方を描く山内さんらしい作品で面白く読めました。2018/01/26

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