出版社内容情報
ドローン遣いの名探偵六騎が挑む連続殺人。奇妙な死体と北欧神話が示すのは…。廃墟ヴァルハラで繰り広げられる命懸けの知恵比べ。
内容説明
本格ミステリーの申し子にして、定石破りの天才が贈る究極のエンターテイメント!
著者等紹介
早坂吝[ハヤサカヤブサカ]
1988年、大阪府生まれ。京都大学文学部卒業。京都大学推理小説研究会出身。2014年に『○○○○○○○○殺人事件』で第50回メフィスト賞を受賞しデビュー、同作で「ミステリが読みたい!2015年版」(早川書房)新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
391
面白いとこをついてくる。好きなタイプのトリックではないが、アイデアは秀逸。プロットの組み方も上手だと思う。毎度毎度、新しいトリックへの執着を強く感じる作者であり、だからこそ冒頭の読者への挑戦も清々しい。北欧神話の薀蓄等、ちょいちょい衒学色も出せるんだぞ的なアピールも入ってくるので、キャリアを重ねた後でも面白い作品を書いてきそう。メイントリックとは関係ないところで、あの状況でバラバラになった身体のパーツが普通に地面に転がるものなのかは疑問に感じたものの、私自身も確かなところはわからないので何とも言えない。2017/08/07
🐾Yoko Omoto🐾
148
北欧神話にインスパイアされ、未来の核戦争に備えシェルターを建設した、奇矯な資産家の御出院氏。氏が亡くなり廃墟と化したその建物を訪れた七人の探検部員だが、探索中に仲間内で殺人事件が起こる。前作のアリスでも感じたことだが、大真面目と不真面目それぞれの役割を担うパーツが、いい意味で馬鹿馬鹿しくバランスの取り方が巧い。読者への挑戦状、三文芝居のような雰囲気で進行するストーリー、大仕掛けからのフーダニット、ややもすると脱力系になりそうな落ち、回収の見せ方など、王道でありつつオリジナリティーに溢れている。面白かった。2017/09/04
麦ちゃんの下僕
101
さすが早坂さん、面白いですね!犯人はもちろん、メイントリックも「これはもしや!?」と思ったのが正解でしたので大満足!…では終わらない、伏線回収の鮮やかさに脱帽!伊山久郎の建てた奇妙な館・冒頭の「読者への挑戦状」から始まる『○✕8』のようなエンターテイメント性・『誰も僕を~』のような明確なテーマ性&メッセージ性・『メーラーデーモン~』のような“成長譚”としての魅力…という風に、“上木らいちシリーズ”からエロを抜いて(笑)エッセンスを凝縮したような、読み応え充分な作品でした!これは万人にオススメできます(笑)2020/07/29
ダイ@2019.11.2~一時休止
96
挑戦状とトリックはすごいなとも思うんですが・・・。第一の密室・死体の位置・血の表現とかほんとにつじつまあってる?2017/08/06
aquamarine
80
館です。クローズドサークルです。その中を見事にドローンが飛びますが探偵は外側です。大学の探検部が、廃墟となった館を探検中に起こる連続殺人。犯人は誰で、なぜ殺人を犯すのか。ドローンにつかまって飛ぶ130cm30kgの探偵とか絵面を想像して楽しんでいると、最後に?マークが頭の中で飛び交い、最後にようやくさらっと読み飛ばしていた色々な部分が無駄のない伏線だったことに気づかされました。読者への挑戦状から始まるある意味とっても早坂氏らしい作品だと思います。探偵の成長譚にもなっていたのが嬉しかったです。2017/10/18