出版社内容情報
粉飾決算、トップの権力争い、米原発会社買収にかかった多大な費用――だが問題の核心は、今世紀初めの日本の原発政策転換にあった。
内容説明
経済産業省は原子力発電を輸出することによって国を繁栄させる「原発ルネッサンス」という政策を省是とした。東芝は、その大きな政策の流れの中、米国の原子力大手、ウェスチングハウスを三菱重工業が提示した額を遙かに上回る54億ドルで買収する。しかし、3・11の福島原発事故で、東芝が作った3号機もメルトダウン。それを機に原発事業は先進国のみならず、新興国でも存亡の淵に立たされる。すでに死んでいるはずの東芝が、まだ生き長らえているのはなぜか?そこには、日本の核燃料サイクルを維持させるための経産省の深謀があった。東芝幹部が回し読みしていたという会員制情報誌による徹底調査!
目次
第1章 経産省にババを引かされた
第2章 原発ビジネスへの傾注―2008~2011年
第3章 上層部の暗闘―2012~2015年
第4章 粉飾決算の発覚―2015~2016年
第5章 再建か解体か、泥沼の混迷へ―2016~2017年
第6章 原子力ルネッサンスの幻影
第7章 「フクシマ」のTSUNAMI
第8章 トランプのデッドライン