あのころ、早稲田で

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  • サイズ B6判/ページ数 207p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163906300
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

バリケードとデモ、アジ演説がキャンパスを占拠した、あのころ。思想とサブカルチャーの狭間で揺れ動いた60年代後半を描く回想記。1946年生まれ。まさに戦後ベビーブーマー第一世代(団塊世代)の著者は1965年に早稲田大学第一政経学部経済学科に入学。クラスに女子はたった2人だった。高校時代から『共産党宣言』やエンゲルスの著作を読みかじり、左翼にシンパシーを感じていたため、「社研」こと社会問題研究会に入る。『されどわれらが日々--』に触発され、大学に入ったら苦悩する「真摯」な生き方を目指すはずだったのに、入学した翌年に勃発した早大闘争にも今一つのめり込めない日々--。

とはいえ、1965年前後の早稲田のキャンパスは多士済々。キャンパスのベンチに座っていたら、いきなりオルグしてきた「粋な顔立ち」の革マル派トップは、のちの宝島社社長・蓮見清一。面識はないけれど、タモリも吉永小百合も、『突破者』の宮崎学も久米宏、田中真紀子、二学年下の村上春樹も同時期に早稲田にいた。同じ部室の文研(文学研究会)には、のちに直木賞作家となる高橋義夫や、呉智英こと新崎智も在籍し、すでに歴史的かなづかいで奇妙な小説を書いていたのだ。

真摯な左翼を目指しながらも「運動」にはのめり込めず、60年代に花開いたサブカルチャー(「ガロ」、早稲田小劇場、ATG)、ポップカルチャー(グループサウンズ花ざかり)を享受した、懐かしくも恥多き青春を振り返る書下し作品。

中野 翠[ナカノ ミドリ]

内容説明

60年代というトンネルの出口は嵐だった―早大闘争、社研、吉本隆明、『青春の墓標』、「ガロ」、GS、喫茶店、ATG、ゴダール、アングラ演劇―あの時代の空気が鮮やかによみがえる。

目次

1965年(男子校に乱入?;平野謙の初授業 ほか)
1966年(全学ストライキ;バリケードの中で ほか)
1967年(わたしの駒よ、はやるな;コム・デ・ギャルソン論争 ほか)
1968年(一九六八年は晴れ着で明けた;安田トリデの攻防戦 ほか)

著者等紹介

中野翠[ナカノミドリ]
1946年生まれ。埼玉県浦和市(現・さいたま市)出身。コラムニスト、映画評論家。早稲田大学政治経済学部卒業後、出版社勤務などを経て文筆業に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

SOHSA

47
《図書館本》コラムニスト中野翠の早大学生時代のエッセイ。するすると真水を飲むように読み終えた。描かれているのは60年代半ばから終盤にかけての景色だから、私よりも半世代ほど上の世代だ。大学生が良い意味でも悪い意味でも大学生であった最後の時代だろう。当時の早稲田大学の内と外が作者の眼を通して鮮やかに甦っている。過ぎた日々はやはり戻らない。戻らないからこそ、輝いていたひとコマがいつまでも人の記憶に残る。作者の学生時代を辿りながらいつのまにか私も自らの学生時代を辿っていた。2018/09/01

とくけんちょ

46
1960年代の思い出話。とんでもなく日本全体がエネルギッシュだった時代。私は、まだ影も形もない。よって、あのころとはいえず、そのころなのだが、その思い出に触れるだけで羨ましい気持ちになれる。方向性の違いはあれ、誰もが精一杯生きていた時代。憧れるだけじゃダメなのはわかるのだが2020/05/31

もりくに

32
コラムとエッセイの違いがよくわからないが、「私が・・」「私が・・」と何ら「自己批評性」のない身辺雑記を書き散らしている輩が多い中で、中野翠さんは数少ない「自己批評性」を持った書き手だ。その彼女が信頼している編集者から、「大学時代の話、書きませんか。」と言われ、当初は間髪を入れず断ったが、徐々に心の中に波紋を広げ、この本となった。1965年から1968年までの4年間。「60年代の入り口と出口では全然違う」と村上春樹さんが言う「出口」の時代。彼女は「立派な左翼」になりたくて、「社研」(社会科学研究会)に入る。2018/07/20

阿部義彦

31
私の敬愛するするコラムニスト、中野翠さんの秘められしというか今まで敢えて避けてきた早稲田大学時代を1965年から68年の編年体で刻んだクロニクル。学生運動よりも、社研として文研と同じ部室で過ごした人間関係、あの呉智英も本名、新崎智として登場そしてあのころ、夢中になった文化(横尾忠則、つげ義春、ドグラ・マグラ、帰ってきた酔っ払い、3億円事件、浅間山荘、ダッカ事件etc)が著者所有のミニコミ誌や写真により詳らかに。高校卒業間際なんて結構美人!表紙イラストが、佐々木マキさんで本人の許可がでたのが凄い。是非是非2017/05/10

Kei

25
著者のファンなので読みました。早稲田にも学生運動にも関心はありません。ただ、あの世代特有の左翼の空気感は少し理解できたような気がします。有名無名を問わず、様々な人物との交流に加え、政治や文学、映画、当時の東京のカルチャーがよくわかります。末の早稲田近辺の探訪もおもしろい。キャンパスは変わらないようで変わります。私も学生時代は、喫茶店病にかかっていたので、シンパシー。著者が感じる今の学生達との違和感も、時代ですね。2017/07/15

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