出版社内容情報
「伝えておきたいことがある」。ここには父の父、父の母、青少年期の父もいる…父娘の往復書簡で、初めて明かされる素顔と優しい声。父から娘へ、そして次代へーー
いまなお遺された多くの小説、戯曲が人々を魅了し続ける井上ひさし。
没後7年を前に、ご本人の言葉が、単行本未収録の手紙という形でよみがえります。
井上さんには、千葉県市川市に格別の思い入れがありました。
本書は、「月刊いちかわ」というタウン誌上で、次女の綾さんと5年にわたって
交わされた往復書簡です。
父:手紙の形をとりながら、わたしの小さかったころのことをできるだけ
正確に書くことにしようと、思い立ちました。
娘:ここには小さい頃の父もいて、父の父や、父の母のマスおばあちゃんもいます。
青年期の若い父もいます。・・この「往復書簡」は、亡くなる5ヶ月前まで、
息苦しさや、体力もなくなっていく中で、三人姉妹のまん中の私に書き綴って
くれたものです。
父は、これまで伝えてこなかった自身のことだけでなく、今後何をすべきか、
何をしたいか、と書きます。そして、その言葉に、必死でこたえようとする娘。
あらためて、井上ひさしという作家の、あたたかい、やさしい人間性が伝わってくる一冊です。
井上 ひさし[イノウエ ヒサシ]
井上 綾[イノウエ アヤ]
内容説明
父から娘へ、そして次代へ。タウン誌上で5年にわたって交わされた往復書簡。没後7年、初の単行本化。
目次
1 元気に明るく働いてください(マスの口癖;「月刊いちかわ」の人たち;ちょっと変でしょ? ほか)
2 生きる練習をつづけてください(調和;弱い心と逞しい心;国立療養所で働きはじめるまで ほか)
3 長く生きることには大きな意味があります(思い出したくない思い出;北国分の家;国分操車場行きの最終バス ほか)
著者等紹介
井上ひさし[イノウエヒサシ]
1934年、山形県生まれ。上智大学外国語学部フランス語科卒。浅草フランス座文芸部兼進行係などを経て、戯曲「日本人のへそ」、NHK人形劇「ひょっこりひょうたん島」などを手がける。1972年「手鎖心中」で直木賞受賞。1979年「しみじみ日本・乃木大将」「小林一茶」で紀伊國屋演劇賞、翌年読売文学賞戯曲賞を受賞。1981年「吉里吉里人」で日本SF大賞、翌年読売文学賞小説賞を受賞。1999年、菊池寛賞受賞。2004年、文化功労者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
ひらちゃん
ヌー
はにわんこ
桐葉