奈緒と私の楽園

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  • サイズ B6判/ページ数 256p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163906218
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

男が絶対に認めたくない欲望を直視した衝撃作。50歳の塩原達也は、29歳の川原奈緒の思わぬ愛情に翻弄され正気を失ってゆく「あなたを子供に戻してあげたい」。男が絶対に認めたくない欲望を直視した衝撃作。



50歳の音楽プロデューサー、塩原達也のもとを突然訪ねてきた29歳の奈緒。奈緒はセックスは苦手と言いながら、年上の俳優と不倫経験があり、男友達とも二人で旅行に出かけひとつのベッドに寝てしまう。理解できない奈緒の言動に、やがて達也は心を奪われるが、彼女が望んだ性のありようは、全裸で絵本を読み聞かせ子守唄を歌うことだった……。

幼児扱いされることに反発を覚えた達也だが、奈緒の甘美な毒に染められ、精神が退行する快楽に囚われてしまう。最後に達也を待つのは天国か、地獄か。

「気持ち悪い」「いやよくわかる」。『オール讀物』連載時から議論沸騰。作家で芥川賞選考委員の島田雅彦氏が、「これを読み、ヘタレを極める気になった」と絶賛する、誰にも書けなかった“純愛小説”。

藤田 宜永[フジタ ヨシナガ]

内容説明

50歳の音楽プロデューサー、塩原達也のもとを突然訪ねてきた29歳の川原奈緒。セックスは苦手と言いながら、年上の俳優と不倫経験があり、男友達と二人で旅行にも出かけてしまう。理解できない奈緒の言動に達也は心を奪われるが、それは禁断の世界の入り口に過ぎなかった…。全裸で絵本を読み聞かせ子守唄を歌う不思議な女。禁断のプレイにはまった男を待つのは天国か、地獄か。あなたを子供に戻してあげたい。男が絶対に認めたくない欲望を直視した衝撃作。

著者等紹介

藤田宜永[フジタヨシナガ]
1950年、福井県生まれ。95年『鋼鉄の騎士』で第48回日本推理作家協会賞、96年『巴里からの遺言』で第14回日本冒険小説協会最優秀短編賞を受賞。恋愛小説では、99年『求愛』が第6回島清恋愛文学賞、2001年『愛の領分』で第125回直木賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おしゃべりメガネ

192
久しぶりの藤田さん作品ですが、やはり読みやすさは相変わらずピカイチで、ちょっと(かなり?)ダメなくたびれた中年オヤジを書かせたら、その描写はある意味、芸術的ですらあります。藤田さん独特のエロスも随所に散りばめられ、アッという間に読了でした。世界観は賛否分かれると思いますが、やっぱり私は好きな作家さんであり、作風も魅力的です。別れた妻が一番の理解者となってるところなんかが、とてもリアリティを感じずにはいられません。読んで何かが残る作品ではないかもしれませんが、読んでいる間は間違いなく没頭し、ハマりました。2017/10/06

starbro

121
藤田宜永は、新作中心に読んでいる作家です。官能小説かなと思って読み始めましたが、官能色は少な目の恋愛小説でした。帯ほどの衝撃はありません。アラフィ男は30歳前後の女性に惹かれるかも知れません。赤ちゃんプレイも流行っているのかなぁ?2017/04/09

じいじ

107
 ある一時期、夢中で読んだ藤田宜永、久しぶりに新作を読んだ。これは官能小説だという人もいるが、私の括りでは中年男を描いた純愛小説だと思う。50歳、バツイチの音楽プロジューサーが主人公。ヘタレな面も見せるこの男に身を重ねて楽しんでみた。不倫人妻との逢瀬に溺れる男のもとに、29歳の純粋無垢(?)な女・奈緒が現れて佳境に…。逢うたびに心を奪われていく男。男ともだちへの嫉妬、苛立ち、焦り…動揺する男の心情描写がきめ細かく巧く書かれている。生々しすぎる性愛描写に躊躇う場面もあったが、小説として愉しめる一冊だ。2017/06/25

タックン

93
氏の直木賞を受賞した(愛の領分)とかの恋愛小説を気にいってだいぶ読んでたけど最近はなぜか探偵物ばっか書いてたからご無沙汰だった。それがまた急にこんな作品書いたから読んでみた。帯ほど官能部分は少なくて一種の恋愛小説だったけど最後まで読むと何が書きたかったかよくわからん内容だったな。結局は奈緒に魅入られた50歳の塩原のみじめさだけが目立ったな。もう(愛の領分)の頃の渡辺淳一を彷彿させる作品は書けないのかなあ?2017/05/06

あすなろ

82
夜な夜な読み進めていた作品。藤田文学の今考えれば晩年期に当たる作品。相変わらず昭和の男が考えるラブファンタジーという空気感が濃厚な一冊。正直、そう書いてしまえば感想はここまでなのであるが、時折こういう世界に浸りたくなるのである。2023/11/05

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