ダブルマリッジ

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  • サイズ B6判/ページ数 318p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163905921
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

商社マンの憲一の戸籍に知らぬ間に、フィリピン人女性マリアの名前が入っていた。妻がいるのに重婚ではないのか? マリアの狙いは?大手商社のエリート社員、桂木憲一は、妻、大学生の娘と幸せな家庭を築いていた。が、パスポート更新のために、戸籍謄本を取り寄せたことから、生活が暗転しはじめる。なんと、最新の謄本には、「婚姻」欄に、妻の里美と並んで、マリア・ロペスというフィリピン人女性の名が書かれていたのだ。

実は憲一は20年ほど前、マニラ赴任中に、このマリアと結婚式を挙げながら、一人で帰国したままになっていたのだった。役所に確認すると、そのマリアから、フィリピンの婚姻証明書が送られてきたため、憲一の戸籍に名前が入ったのだという。しかし、日本では重婚は認められていないはずではないか?

役所に問い合わせると、「刑法には重婚罪がありますが、民法上は、当事者からの請求がないかぎり、行政が重婚を解消する手続きは、定められていないのです」という意外な答えが返ってきた(警察が刑事罰として動くことも事実上ない)。

さらに数日後、憲一の自宅に、一通の封書が届く。中を確認した妻は悲鳴をあげた。

送られてきたのは新たな戸籍謄本で、そこには「長男」として「ケン」という名が書かれていた。

それにしてもマリアはなぜ、今になってこのような行動に出たのか――。

事実に基づく驚天動地のストーリー。

橘 玲[タチバナ アキラ]

内容説明

大手商社五井商事の部長、桂木憲一がパスポートの申請のために戸籍騰本をとると、婚姻欄に、妻の名前と並んで、「ロペス・マリア」なるフィリピン人女性の名前が入っていた。いったいどういうことなのか。戸籍が乗っ取られたのか?そもそも、日本では重婚は認められていないはずではないか?市役所市民課の山下という課長補佐に問い合わせると、「刑法には重婚罪がありますが、民法では『配偶者のある者は、重ねて婚姻をすることができない』として、当事者がその取消しを請求できると定めているだけですから、請求がなければそのままです」との驚くべき返事が返ってきたのだった―。

著者等紹介

橘玲[タチバナアキラ]
1959年生まれ。2002年金融小説『マネーロンダリング』でデビュー。同年『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』がベストセラーに。06年『永遠の旅行者』が第19回山本周五郎賞候補(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

スエ

86
「ロペス・マリア」。女子大生で読者モデルのマリは仰天した。 父の戸籍の婚姻欄に、母と並んで見知らぬ女の名前が!! 母の狂乱、父の戸惑い。追い打ちをかけるように、兄の存在まで明らかに! 家族はどうなってしまうのか?!そして、女の正体とは?! ねじれに捻れた「ダブルマリッジ」の結末は!?2020/12/09

ミーコ

49
帯に惹かれ 重婚は戸籍の乗っ取りかと思ってましたが・・・。最初から引き込まれ、真相は❓と読んで行くも え?っとなります。これって全て憲一の浅はかな行動が原因で有って犯罪絡みではなく、それでもマリアや、ケンの行く末が気になり読みましたが、これは救われない終わりでモヤモヤが残ります。マリは甘ちゃんが大人になった様ですが、憲一に関してはダメ過ぎでしょう。2017/07/21

JILLmama

46
自分の知らない間に戸籍上で婚姻関係が!?本当にこんな事あるんですね。 フィリピンの貧困や、だらしがない日本人、色々衝撃的な内容でした。社会派小説かと思いきや途中から何とも言えない感じに。 面白いテーマなだけに残念。2017/12/16

いたろう

43
戸籍に妻とは別のフィリピン国籍の女性が配偶者として入っていた。そんなことが起こり得るのか。この重婚は合法に成立しているのか。専門の海外投資、金融の知識を駆使した国際金融サスペンスに比べると、スケール感は小さいものの、法律、制度の盲点をつく展開は、橘さんの得意とするところ。摩訶不思議な日本の戸籍制度、日本人男性とフィリピン人女性の間に生まれ、フィリピンで育った「新日系フィリピン人」の問題、日本で働くアジアの労働者が抱える問題、原発除染作業の現状、フィリピンの社会、スラム街等々、語り口は軽いが、テーマは重い。2017/06/09

R

41
近代日本のある種の闇をあぶりだした小説でした。倫理と経済と、社会問題がごたまぜになる内容で、非常に面白く読めたのであります。国際法とのギャップを利用した、本筋では起こりえなかった恐怖も描かれつつ、人間の営みで仕方なく生まれる何かもあり、社会制度と人間味との差異が埋められないばかりの、また埋める気がないということもふまえた内容が、考えさせられるものでした。人間ドラマに見所もあったけども、その法制度の隙間で右往左往する、このばかばかしさが肝であったと思うのであります2017/12/07

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