総理の誕生

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総理の誕生

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  • サイズ B6判/ページ数 264p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163905761
  • NDC分類 312.1
  • Cコード C0095

出版社内容情報

「小泉首相は拉致を分かってない」「私は求心力を失った」「人生やればやれるものだ。二度目だからこそ、この議席数」肉声秘話満載!目次



序章 その時、安倍の言葉を聞いた



二〇〇七年九月十二日、 私は全身の力が抜け落ちるような感覚を味わった。安倍が辞任

する。ただただ悔しく虚しかった――。本書は、安倍が無役の若手議員だったころから、

私が直接、安倍と話し、見聞き体験し、考えてきたことを記す本だ。





第一章 実は出世は遅かった



岸信介の孫、安倍晋太郎の息子、大叔父は佐藤栄作。だが、安倍晋三自身は同期の仲間

たちが次々と政府のポストを与えられる中、ひとり取り残された。初めて政府の役職に

つくのは、当選から実に七年も経った時のことである。



「ここまで外されてきたんだから、もう開き直った。こうなったら、(第一希望の)外務政務次官以外だったら、話が来ても受けない」





第二章 小泉純一郎という両面教師



要職に抜擢され、小泉に仕えながら安倍は二面を見ていた。暗闇の中、天皇が神々に新

米を備える新嘗祭に参列した小泉は「電気をつければいいじゃないか」。郵政解散でも理

念的保守の安倍の同志たちは刺客をたてられ落選。だが、その勝負勘には目を見張る。



「郵政民営化なんて本来、我々が目指していることに比べたら、どうでもいいことではないか」





第三章 小泉さんは、拉致を分かっていない



北朝鮮に同行する直前、安倍は官邸で絞り出すように声を漏らした。あくまで日朝国交

正常化を第一に考える小泉には、拉致問題の重大性への理解がまるで足りなかったのだ。

初訪朝を終えて帰国した小泉は「なぜ皆、俺をほめないんだっ」と当たり散らした。



「小泉さんは、拉致の『ら』の字も分かっていない」





第四章 なぜ、一次政権は崩壊したのか



五十二歳の若さで総理になった安倍だが、これまで支持してきた右派からの攻撃にさら

される。しかし政権運営となると様々な現実的対応が必要である。その中で安倍は、全

国戦没者追悼式の演説の原稿で、こうした批判を丁寧に取り入れることも心がけた。



「明日の式辞の原稿なんだけど、『心ならずも命を落とした方々』という表現は、保守派の評判がよくなかったよね」





第五章 政治的な死者と言われて



わずか一年での突然の退陣表明。会見後の深夜、記者クラブで呆然としていたところに

携帯電話の着信があり、出ると相手は安倍本人だった。「私は求心力を失ってしまった」

こう言う安倍に、私はこれで日本は十年、時を失うだろうと考えていた。



「やれるところまで、できるだけ頑張ろうと思っていたのだけど、それも無理になった」





第六章 盟友、中川昭一のこと



政権を退いた安倍に追い打ちをかけたのが、理念を共にする中川の死だった。私も安倍

同様に親しく付き合った。彼が総理を目指していたのは間違いない。「経済閣僚をやら

ないと首相になれない」という外務官僚の酒席でのひと言に中川は烈火のごとく怒った。



「あの件さえなければ、今ごろ昭ちゃんが自民党総裁だった」





第七章 橋下徹コネクション



民主党政権下の二〇一二年六月、再燃する大連立構想に対し、安倍は強く異を唱えた。維新の会の国会進出が取りざたされたこの時期、安倍は橋下との会談で直接、自民党からの離脱を打診されていた。橋下とのパイプをテコに、安倍は奇跡の復活への足掛かりを築く。



「自民党と民主党による大連立構想は、とんでもない話だ。そうなったら自民党を割って出る」





第八章 経済という切り札



何が第二次安倍政権で変わったのだろうか。それは、一次政権の時にはなかった「経済」

を切り札にするということだ。憲法問題、安全保障のあり方が、選挙結果を左右するこ

とはない。そう学習した安倍は、二〇一三年七月の参院選で大勝する。



「人生、やればやれるものだ。仮に六年前の(首相時代の)参院選で適当な議席で勝って第一次政権が長続きしていた場合より、一度政権を失った今回のほうが憲法改正に必要な議席に近づくことだろう」





第九章 オバマとの関係はこう詰めた



「私は政治的に厳しい立場にある。私の支持率は四五%だが、安倍内閣は六〇%あるか

ら大胆に決断できるんじゃないか」。すきやばし次郎でオバマはこう安倍に迫った。外交

とは互いの内政リスクを理解すること――安倍に対して次第にオバマは警戒を解くことに。



「いや、日米同盟がわが国の基軸だ。だから今回は米国へ行く。日米同盟の強化を行いながら、中国との関係を考えていく必要がある」





第十章 安倍の後継者は誰か?



消費税増税を安倍が延期したのは、そもそも財務省の経済感を信用していないからだ。

ただ皮肉にも、その決断に反対したのは安倍が見出した稲田朋美だった。ライバルと目される石破茂、閣内のプリンスと言われる岸田文雄……誰が総理の座を継ぐのだろうか。



「稲田さんは、正義感からああ言っているんだろう」





あとがき 少数派が中枢に位置する時



略年表

阿比留 瑠比[アビル ルイ]

内容説明

安倍晋三の挫折も雌伏も栄光も。産経の名物記者が明かす、肉声秘話。

目次

第1章 実は出世は遅かった
第2章 小泉純一郎という両面教師
第3章 小泉さんは、拉致を分かっていない
第4章 なぜ、一次政権は崩壊したのか
第5章 政治的な死者と言われて
第6章 盟友、中川昭一のこと
第7章 橋下徹コネクション
第8章 経済という切り札
第9章 オバマとの関係はこう詰めた
第10章 安倍の後継者は誰か?

著者等紹介

阿比留瑠比[アビルルイ]
産経新聞論説委員兼政治部編集委員。1966年3月生まれ、福岡県出身。早稲田大学政治経済学部卒業。90年、産経新聞社入社。仙台総局、文化部、社会部を経て、98年から政治部。首相官邸、自由党、防衛庁(現防衛省)、自民党、外務省などを担当し、第一次安倍内閣、鳩山内閣、菅内閣、第二次以降の安倍内閣で首相官邸キャップを務める。98年7月に、まだ陣笠議員だった安倍晋三に密着取材して以来、一次政権崩壊後の失意の時代も常に身近で接し続け、数々の肉声を記録してきた数少ない記者の一人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おかむら

33
最強の首相安倍総理万歳って本。ヒラの議員だった頃からの18年間密着ルポ。普段朝日新聞を読んでるもんで逆の立場から(著者は産経新聞の名物記者とのこと)のも読んでみようかと。なるほど面白いわ。ホントに真逆。朝日や民主党がこき下ろされまくり。あと小泉さんや福田さんや石破さん等の描かれ方が楽しい。この後青木さんの「安倍三代」も読むつもりなので比較するのも楽しみ。2017/04/05

マッサー

16
1年で総理大臣の座から降りて、再度就任するまでの努力は本を読まないとわからない。一度失敗したことが今の手法に活かされている。いろんな批判を受けてはいるが、ブレないで前に進んでほしい。2018/09/17

Riopapa

13
世の中は親安倍と反安倍に分かれ、新聞業界も見事に真っ二つ。良い総理大臣かどうかは後世の評価になるが、これだけ動ける総理大臣というのはなかなか出てこないのではないか。2017/06/15

あっちゃん

10
素直にすごい人だなと思う。ある人は極悪と言い、ある人はヒットラーだと言うけど、民主党(民進党)が今も政権を握っていたら、中国・韓国はやりたい放題で、世界からも見放され、浮いた存在になっていたと思います。第1次安倍政権時の挫折があり、反省があるから、第2次安倍政権があり、世界が一目置くようになったのではないでしょうか?気分が良かったのは、中国が靖国神社参拝に対する質問に、安倍さんの返答が世界から拍手が沸き起こり、中国の思惑が外れたこと。政策すべて賛成することは出来ませんが、応援したいと思います2017/01/12

kiki

8
安倍首相の誕生秘話。大物政治家の家系に生まれたが故に受けた重圧の中で挫折を経験し、難病に苛まれ続けたが、再度首相となった今は頼もしさを感じる。安全保障や拉致問題などは、政治家となったときの早い段階から仲間を集い勉強し、小泉首相の下での官房長官時代では力を発揮していた。外交問題は経済にも深くかかわるため、深い知識と経験が必要となる。アメリカ大統領の交代などで外交政策が非常に難しくなるが、安倍首相のような経験を積んだ人であればなんとかしてくれるかもと期待している。2017/01/07

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