黒面の狐

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  • サイズ B6判/ページ数 444p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163905204
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

炭鉱を襲う落盤事故と、それに続く連続怪死事件。現場の密室からはいつも、黒い狐の面をかぶった人影が……。三津田信三の真骨頂!あの真っ暗闇の奥から、

何かが私を凝っと覗いている。



戦後まもない北九州の炭鉱で起きた、不可解な連続怪死事件。

真相を知るのは、ただ黒面の狐のみ……?



戦後まもない混乱期。主人公の物理波矢多(もとろい・はやた)は満洲の建国大学から日本に帰国し、足の向くままに北九州の炭鉱で炭坑夫となって働き始める。そこで、同室の合里が落盤事故で坑道に取り残されたのを皮切りに、炭坑夫が次々と自室で注連縄で首を括るという、不気味な連続怪死事件に遭遇する。その現場からはいつも、黒い狐の面をかぶった人影が立ち去るのが目撃され……。



細密な炭坑の描写の中から、じわじわと迫ってくる恐怖と連続する密室殺人の謎。本格ミステリとホラーの魅力を併せ持った重厚な力作書下ろし長篇。

三津田 信三[ミツタ シンゾウ]

内容説明

戦後まもない北九州の炭鉱で起きた、不可解な連続怪死事件。現場に現れた黒面の狐は、人なのか、人にあらざるものなのか?炭鉱で働く屈強な男たちの心を、次第に疑いと恐怖が蝕んでいく。真相を知るのはただ、ヤマの神と、黒面の狐のみ…?ホラーミステリーの名手、三津田信三による、重厚かつ壮大な書下ろし長篇。

著者等紹介

三津田信三[ミツダシンゾウ]
編集者を経て2001年『ホラー作家の棲む家』(文庫で『忌館』と改題)で作家デビュー。2010年、刀城言耶シリーズの『水魑の如き沈むもの』で第10回本格ミステリ大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

182
図書館の予約に少し出遅れて、ようやく読めました。以前から気になっていた三津田信三、初読です。ミステリ、ホラー系だと思って読み始めたのですが、前半は蟹工船、炭鉱版と言った趣でした。中盤からミステリ色が加速して一気読みしました。横溝正史的なテイストもあり、骨太のミステリとして堪能しました。今は消滅した炭鉱会社、正にブラック企業ですネ。大炭鉱の周辺には成仏出来ない浮遊霊、物の怪が跋扈しているのかも知れません。しかし狐は何でこんなに特別扱いされるのでしょうか?2016/12/17

紅はこべ

169
お得意の民俗学ものと思いきや、意外とガッチリ本格。幾重にも仮面を被った真犯人。犯人=〇〇という古典的パターンなんだけど、気づかなかったなあ。波矢多が意外な犯人名を続けて出すという、軽い多重解決もの。手記は読んでいて辛かった。これもシリーズ化?狐女の謎は残ったな。2017/02/07

KAZOO

120
三津田さんのほかのシリーズをすべて読んだわけではないのですが比較的最近出版されたこの本を読んでみることにしました。戦後近く朝鮮戦争までの間の時期の福岡のとある炭鉱での連続殺人事件です。そういえば昔結構炭鉱を主題にした映画があったことを思い出しました。よく調べておられます。比較的犯人は予想がつきやすいのですが、うまくストーリーの展開を飽きさせずに最後まで読ませてくれました。2018/05/21

sin

108
怪奇色はあるが純然たる本格推理!横溝正史の一連の探偵ものを彷彿とさせるが、探偵が現れてから待ち構えていたかのように連続殺人が起こるのではなく、連続殺人が探偵を創り上げるところが目新しい…いやこうした素人探偵は現代ものにはよくあるパターンといえるか?ただしこの作品、その入り組んだ謎解きの部分より、炭鉱夫という今は稀な職業と、植民地時代に搾取された朝鮮人労働者の姿を描いて一味違う重さを感じさせる。隣国の方達が極端な歴史を教えられていると憤るより、自分たちも自国の歴史を認識し自戒しなければいけないと感じた。2016/10/12

のぶ

69
久しぶりに面白い本格推理を堪能した。戦後間もない頃、主人公、物理波矢多は、職を求めて北九州の炭鉱にたどり着く。そこでおきる連続殺人事件。そしてそこに絡む黒面の狐の存在。この本、本格物とはいえ、それほどトリックに対しての拘りはない。災難除けの注連縄を殺人の題材に使ったりして、ホラーの要素を巧みに取り入れている。炭鉱産業が盛んだった時代の風俗や民俗学の要素、朝鮮併合終了直後の朝鮮人の労働問題を取り入れて、単なる本格にない深さを作品に与えていた。2016/11/06

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