不機嫌な作詞家―阿久悠日記を読む

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  • サイズ B6判/ページ数 294p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163905044
  • NDC分類 767.8
  • Cコード C0095

出版社内容情報

五度のレコード大賞に輝いた作詞家、阿久悠。その創作の秘密や天才ゆえの苦悩とは。二十六年分の日記を読み解いた渾身の決定的評伝。 阿久悠さんといえば作詞家として、「また逢う日まで」「北の宿から」「勝手にしやがれ」「UFO」など5度の日本レコード大賞に輝き、生涯で売り上げたシングル盤の枚数は約7000万枚という歌謡界のモンスターです。その阿久さんが生前、26年7カ月間にわたり毎日つけた日記が存在することは、ほとんど知られていません。イタリアのナヴァデザインによる革装27冊の日記は、明治大学駿河台キャンパスにある阿久悠記念館にひっそりと収められています。

2014年秋、阿久さんの身近で長年にわたり仕事をした三田完さん、阿久さんのひとり息子の深田太郎さん、明治大学の吉田悦志(国際日本学部)、富澤成實(政治経済学部)両教授、岩波書店OBの井上一夫さんの5人が、この膨大な日記の解読を始めました。その研究の成果をもとにした書き下ろしが、本作品です。

1日も休むことのなかった日記には、身辺雑記から仕事のメモ、その日のニュース、本や新聞の情報、ひらめいたアイデアなどが、愛用のペンテルのサインペンでぎっしり書きつらねてあります。

戦前、淡路島でうまれた少年はいかにして「阿久悠」になったか。時代をリードし続けた創作の秘密はどこにあったのか。作詩から小説へと軸足を移した『瀬戸内少年野球団』の映画の成功、しかし直木賞をとれない苦悩、晩年に苦しんだがんとの闘病など、これまではうかがいしれなかった、芸能界の巨人の苦悩も初めて明らかになります。

NHKディレクターを辞して以降15年、阿久さんとともに過ごした著者だけが知る「歌謡界の巨人」の真実です。

三田 完[ミタ カン]

内容説明

十八歳で上京し、広告代理店のサラリーマン、放送作家、作詞家、小説家、イベントプロデューサー、そしてガンとの闘病まで、阿久悠は人生を疾走しつづけた。圧倒的にエネルギッシュで切実な生を。二十七年間、一日も休まず綴った日記を通して描く、渾身の傑作長篇。

目次

はじめに―阿久悠と変装
第1章 美空ひばりと同い年の少年
第2章 青春はシネマの闇に
第3章 十八歳・上京
第4章 月光仮面制作中
第5章 深田公之、阿久悠となる
第6章 『スター誕生!』と山口百恵
第7章 直木賞の憂鬱
第8章 無冠の父
第9章 身中のテロリスト
第10章 生きっぱなし
おわりに―阿久悠と色魔

著者等紹介

三田完[ミタカン]
1956年、埼玉県生まれ。2000年に「櫻川イワンの恋」で第八十回オール讀物新人賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

スパシーバ@日日是決戦

97
{2016年} 広告代理店(アルバイトとして入社し、彼の下についたのが上村一夫)の社員として、その後2年間放送作家の二重生活を経て作詞家デビュー(ザ・スパイダースのデビューシングル「フリフリ」のB面「モンキー・ダンス」。但し、公式プロフィールではザ・モップス「朝まで待てない」がA面でリリースされた時点をデビューとしている)。作詞数5000曲以上、シングルレコードの売上累計7000万枚。5度のレコード大賞受賞。美空ひばりと同い年、審査員を務めていた「スター誕生!」出身者の山口百恵には一曲も書いていない。2016/11/29

あつひめ

68
昭和を元気付けてきた作詞家と言ったらいいだろうか。時代を引っ張ってきたというか…。日記にはその人の本心が出るもの。こうして本で読むのと、直筆の日記で同じ言葉を読むのとでは印象も変わるかもしれない。特に後半の病に伏せてからは、辛さや不安が文字に現れていたと思う。その感情の機微感じ取りずらかったのがとても残念。母は学歴もないし教養もなかったが常識があった…行儀よく品があった…母親を愛おしむ視線がかんじられる言葉だと思った。阿久さんの生んだ歌詞はこれからも歌い継がれるだろう。2017/03/13

fwhd8325

29
その足跡は、あらためて凄いと思う。生前、一番の作品は「ジョニーへの伝言」をあげていたことを思い出します。これだけの作い品を残しながらも、直木賞を取ることができなかったこと、次第に時代とのズレを感じることの焦りなど、人間臭さも日記をベースにしているからなのでしょう。終章で、大瀧詠一作品を松本隆の作品と比較するのだが、氏の作品が、その生き様そのもののように感じます。2016/12/29

チェアー

14
草創期は阿久悠になろうとし、晩年は阿久悠に支えられたヒットメーカーのストーリー。病と闘いながらなおも阿久悠の黄金期を作ろうとする姿には、あっさりとした表現ながら胸がぎゅうとなる。2016/10/28

今庄和恵@マチカドホケン室コネクトロン

10
阿久悠の足跡については他の書籍でいくらでも描かれているので既知のものがほとんどでしたが、日記ということに限定すれば、ほぼ日手帳とかモレスキン愛好家の手帳の使い方がいまいちわからなかったのですが、なるほどー、こういう風に使うのか、と納得させられました。自分のためのデータベースですね。死後に寄贈されたのは予定されていたことだったのか、誰の目にも触れさせないことが前提であったようには思えないですねー。絶対に誰の目にも触れさせないものとして、人はアウトプットをすることってないんじゃないかしら、と思わされました。2017/02/08

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