堤清二 罪と業―最後の「告白」

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  • サイズ B6判/ページ数 190p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163904948
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0095

出版社内容情報

セゾングループを率いた堤清二氏が、死の前に明かした堤一族の栄華と崩壊の悲劇。月刊「文藝春秋」の衝撃連載を待望の単行本化! 第47回大宅壮一ノンフィクション賞(雑誌部門)受賞作。月刊「文藝春秋」の連載『堤清二の「肉声」』に大幅に加筆したもので、セゾングループの総帥だった堤清二氏が死の一年前、父・康次郎氏そして弟の義明氏との関係をじっくり振り返った一族の物語です。

清二氏が、著者の児玉さんに10時間以上も語った堤家の物語は、愛憎と確執に満ちた肉親相食む世界でした。大宅賞の選評で、選考委員の後藤正治氏は「インタビューを重ね、その足跡をたどるなかで、入り組んだ内面を宿した人物像を浮き彫りにしている。読み物として読み応えがあった」とし、奥野修司氏は、「筆力、構成力ともに群を抜いている」と評価しました。

康次郎氏は西武グループの礎を築いた実業家であると同時に、強引な手法で「ピストル堤」の異名をとり、異常な好色でも知られていました。清二氏ら七人の兄弟姉妹の母親だけで四人、そのうち二人とは入籍をしませんでした。関係を持った女性はお手伝いから看護士まで相手選ばず、清二氏の母・操さんの姉妹とも関係を持ちそれを操さんも承知していたといいます。その異常な環境で、清二氏・義明氏兄弟は静かな“狂気”を身の内に育まざるをえませんでした。

フォーブス誌の世界長者番付で世界一位に輝いた義明氏と、セゾン文化で一世を風靡した清二氏は、一転して凋落し、軌を一にするように堤家も衰退の一途を辿ります。

西武王国について書かれた本は数多くありますが、清二氏が初めて明かした一族の内幕は、堤家崩壊の歴史であると同時に、悲しい愛と怨念の物語であり、どうしようもない定めに向き合わなければならなかった堤家の人々の壮大な物語です。

児玉 博[コダマ ヒロシ]

内容説明

西武王国を築いた堤康次郎は強欲な実業家であると同時に、異常な好色家でもあった。翻弄される五人の妻、内妻と子どもたち。やがて、清二の弟、義明が父に代わり、暴君として家族の前に立ちふさがる―。人生の最晩年に堤清二の口から語られた言葉は、堤家崩壊の歴史であると同時にどうしようもない定めに向き合わねばならなかった堤家の人たちの物語であり、悲しい怨念と執着と愛の物語だった。2016年大宅壮一ノンフィクション賞受賞。

目次

第1章 父との約束
第2章 西武王国崩壊の予兆
第3章 母操と妹邦子 その愛と死
第4章 堤康次郎の遺訓
第5章 堕落した父
第6章 独裁者の「血脈」
第7章 清二と義明 宿命の兄弟

著者等紹介

児玉博[コダマヒロシ]
1959年生まれ。大学卒業後、フリーランスとして取材、執筆活動を行う。月刊「文藝春秋」や「日経ビジネス」などで発表するインサイドレポートに定評があり、2016年、第47回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

212
2016年大宅壮一ノンフィクション賞受賞。 巨大企業西武王国に君臨した堤一族の狂気と 崩壊を描く。堤清二と義明..時代の寵児だった この異母兄弟二人の人生は ある意味その父 康次郎の暴君の下に成り立っていたのかも しれない..裸一貫で西武王国を築き上げ、 暴君として君臨した男康次郎..本書は 清二視点のために、義明に対する記述を 含め、真偽のほどが不明だが、 昭和の日々を経済界の視点で見るには よい本なのかもしれない。2017/02/27

ケイ

144
まさに罪と業 堤家の父とインタビューを受けた清二氏について思う。表紙にある清二氏の母の美しさに惹かれ、何度も見た。その美しい母が、髪すら整えられなかった貧しい暮らし。たまに来ては、母と同じ部屋で寝た父。恨みや怒りは、どれほど後に愛情を感じたとしても、子供の頃を思い出すたびにあったに違いない。語られないことの多さに色々な思いがよぎる。2019/01/18

Tadashi_N

35
お妾を作るのが男の甲斐性なのでかもしれないが、才能があると思っている男ほどその傾向があり、災禍のもとになることが多い。2018/06/30

sofia

34
四半世紀前に読んだ猪瀬直樹の『ミカドの肖像』は内容はほとんど覚えていないが、プリンスホテルの謎は、私にとって衝撃的だった。西武沿線に住んでいたのに知らなかったから。そして堤清二(側)の告白…。読みやすくおもしろかった。2017/01/20

おいしゃん

27
西武の堤王国の中でも、こんなに激しい身内争いがあったとは知らなかった。自分の会社も、西武にいろんな意味で似たオーナー企業だが、無用な身内争いがないだけ救い。2021/10/10

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