ムーンナイト・ダイバー

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  • サイズ B6判/ページ数 243p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163903927
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

舞台はフクシマ。非合法のダイバーは月光を頼りに人と町をさらった立入禁止の海へ潜降する。鎮魂と生への祈りをこめた新たな代表作。

ダイビングのインストラクターをつとめる舟作は、秘密の依頼者グループの命をうけて、亡父の親友である文平とともに立入禁止の海域で引き揚げを行っていた。光源は月光だけ――ふたりが《光のエリア》と呼ぶ、建屋周辺地域を抜けた先の海底には「あの日」がまだそのまま残されていた。依頼者グループの会が決めたルールにそむき、直接舟作とコンタクトをとった眞部透子は、行方不明者である夫のしていた指輪を探さないでほしいと告げるのだが… 311後のフクシマを舞台に、鎮魂と生への祈りをこめた著者の新たな代表作誕生。

内容説明

だからこそ潜るのだ。誰も潜らないから、誰かが潜らなければいけないのだと信じる。3・11から五年目となるフクシマ。非合法のダイバーは人と町をさらった立入禁止の海に潜降する。慟哭の夜から圧倒的救済の光さす海へ。鎮魂と生への祈りをこめた著者の新たな代表作誕生。

著者等紹介

天童荒太[テンドウアラタ]
1960年愛媛県生まれ。86年「白の家族」で野性時代新人文学賞を受賞、93年『孤独の歌声』が日本推理サスペンス大賞優秀作となる。96年『家族狩り』で山本周五郎賞、2000年に『永遠の仔』で日本推理作家協会賞、09年に『悼む人』で直木賞受賞。13年に『歓喜の仔』で毎日出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

285
天童荒太は新作が待ち遠しい作家の一人です。数多の作家が東日本大震災をテーマに書いていますが、本作は天童荒太でなければ書かなかった題材だと思います。東日本大震災関連の作品としてはマイベストです。震災は大分風化した感がありますが、こういう佳作が読まれることで胸に刻まれるんでしょうね。また直木賞受賞作『悼む人』に通ずる物を感じました。著者は寡作ですが、次回作には久々の長編を期待しています。2016/02/13

ナイスネイチャ

256
図書館本。震災から5年たった福島原発近くの街で立ち入り禁止の海に潜り、流された遺品を拾い遺族に返していく主人公。生き残った自分は幸せなのかと苦悩の日々を過ごす毎日。海に潜る度、生きていることを実感する主人公。ものすごく重いテーマで胸が締め付けられる内容でした。2016/02/25

まちゃ

199
「3.11後のフクシマの海」で月夜に非合法の遺品引き揚げを行うダイバー・舟作。非合法と知りつつ彼らに引き揚げを依頼する遺族たち。あの日、身近な人を失った喪失感と自分が生き残ったことへの罪悪感。「生きること」、「人を愛すること」について考えさせる物語でした。3.11のあの日とそれに続く原発事故を忘れないように。2016/03/28

紫綺

181
未だ震災の後処理に悶々とする光のエリア、福島原発。その沖合い、月の光が煌々と照らす海底で、不特定の遺族のため、違法に遺留品を探すダイバー舟作と漁師の文平。死はいつでも傍にある、そして生かされていることに気付く。深として感慨深い一冊。2016/03/26

おしゃべりメガネ

179
う〜ん、さすが天童荒太さん、圧巻でした。ボリュームはさほど多くはないのですが、内容は天童さんの書き綴る独特な世界観が、これでもかというくらい堪能できました。天童ワールドだけに、お世辞にも決して明るいとは言えませんが、普通の作品、作家さんでは読むことのできない作風だなぁとズシッと感じることができます。題材が独特であり、タイトルの意味がなるほどとなるハマり感が絶妙です。震災を扱った作品が少なくない中で、確固たる地位をおさめる貴重な作品であることは疑いようがありません。久しぶりの天童さん作品を堪能できました。2016/03/11

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