出版社内容情報
作家志望の男はある作家と親交を持つ。デビュー時に注目を集め、賞の候補にもなった作家だったが……。味わいの異なる四篇を収録。
虚実のあわいに発生する
深く、切実な哀しみ
親交があった作家の奇妙な自死と、妻の突然の病死。
親しい人間たちを失った男が、自らの死を思ったとき、
目に留まったのは、Yの形をした木だった――。
表題作「Yの木」のほか、味わいの異なる三つの短篇を収録。
人生の悲哀が、あざやかに香りたつ。
内容説明
Yの形をした木に目をとめた男。彼はこの木を見て、奇妙な方法で自死した作家のことを思い出す「Yの木」。大阪で働く美しい姉と、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンを訪れることを楽しみにしていた少年。しかし当日の朝、小さな事件に巻き込まれてしまう「たそがれ」。ヴェネツィアを訪れた作家。行きつけのクラブのママに頼まれた首飾りを妻と共に選ぶが、実は妻に内緒でもうひとつ、買わなければならない首飾りがあった「首飾り」。秩父宮ラグビー場の客席で、不穏な電話をしている女。彼女はラグビーの勝敗と、自らの未来を重ねあわせていた「シンビン」。表題作「Yの木」ほか、人生の重要な瞬間を描き出す短篇三作を収録。
著者等紹介
辻原登[ツジハラノボル]
1945年、和歌山県生まれ。1985年「犬かけて」でデビュー。1990年「村の名前」で芥川賞、1999年『翔べ麒麟』で読売文学賞、2000年『遊動亭円木』で谷崎潤一郎賞、2005年「枯葉の中の青い炎」で川端康成文学賞、2006年『花はさくら木』で大佛次郎賞、2010年『許されざる者』で毎日芸術賞、2011年『闇の奥』で芸術選奨文部科学大臣賞、2012年『韃靼の馬』で司馬遼太郎賞を受賞。同年、紫綬褒章を受章。2013年『冬の旅』で伊藤整文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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