出版社内容情報
国産戦闘機「TF‐1」の技術管理室で働く沢本。彼女が新規事業として立ち上げたのは、二百億円の改修開発プロジェクトだった。
航空機メーカー、四星工業で働く沢本由佳。
担当する練習戦闘機「TF-1」の生産は堅調だったが、
技術者として、新たな開発を手掛けたいと思った彼女は、
「TF-1」をより効率的に運用するための改修開発を提案する。
社内の支持を集めつつあったところに、突如降って湧いたのは、
ライバル企業の開発遅れによって生じた、二百億円の余剰予算。
この二百億円を獲得し、改修開発を実現するため、
社内外を巻き込んだ一大プロジェクトが動き出す!
内容説明
航空機メーカー、四星工業で働く沢本由佳。担当する超音速機「TF‐1」の生産は堅調だったが、技術者として新たな開発を手掛けたいと思った彼女は、「TF‐1」をより効率的に運用するための改修開発「リヴィジョンA」を提案する。戦闘機開発の裏側に渦巻く、官民の思惑。元技術者の著者が、その舞台裏をぎりぎりまで描く!
著者等紹介
未須本有生[ミスモトユウキ]
1963年、長崎県生まれ。東京大学工学部航空学科卒業後、大手メーカーで航空機の設計に携わる。1997年より、フリーのデザイナー。2014年『推定脅威』で、第二十一回松本清張賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hitoshi Mita
48
推定脅威からの続編となる本作。単座型の機体の開発を目指し奮闘する物語。まるで下町ロケットを読んでるような感じ。前途多難な雰囲気もあるのだがそこは上手く立ち回って解決していく。この辺はちょっとあっさりとしてる気もする。官民共同で開発される機体にいろんな障害はつきものだし官民との温度差は現実にはもっとひどいものだと思うが、そこは希望を込めて描かれてる気がする。物語性なのだけど主人公の恋愛感とかはちょっと必要なのかなと思ってしまった。ラストもバタバタと結末を急いでいる様にも思えるが概ね楽しく読了しました。2016/06/23
宇宙猫
30
★ 既視感があると思ったら「推定脅威」の続編だったのね。凄く読みたかったのに内容を殆ど覚えてない本だ。本書もイマイチでパラパラ読み。話がトントン拍子な割に軽さがなくて、主人公の熱さも足りない。もっとリアルに書けばいいのに。2016/03/30
み
21
う〜ん、文章がちと読みにくいかも(>_<)お話しの筋は、上手く行き過ぎな感じはあるけど面白い♪沢本さんが前作よかイイ女子になりました。お仕事話しとしても楽しめます。2015/08/11
こうちゃ
19
〔推定脅威〕を読んだ気満々だったけれど未読だったため、過去に起きた事故が気になって仕方ない。こちらはその続編。航空機メーカーで働く由佳は、技術者として新たな開発を手掛けたいと思っていた。防衛予算200億円が宙に浮くとの情報を得、戦闘機の改修開発を提案する。官民を巻き込んだ一大プロジェクトは、大空に飛び立つことができるのか!?私怨での横槍が入ったり、由佳自身も思いっきり公私混同しているような気もするけれど、そこそこリアル。ちょいミスお仕事小説って感じかな。長谷川のどんな手段も厭わないという野心が次への伏線?2015/08/22
しゃお
15
戦闘機開発(実際は改修)に携わる企業の開発部の物語。「推定脅威」という作品の続編である事を知らずに読んだせいもあって、沢本や倉崎など男女の描き方がリアルに見えない他、文章そのものも合わなかった部分あり。それでも航空機、それも戦闘機の開発といったものの過程やそこで生ずる問題などが知れて興味深く読めました。前作も読んでみたいですね。2015/08/25