出版社内容情報
野球嫌いのはずの父の遺品の中にある一枚の写真。そこにはアメリカで野球をしている若き日の父が…。野球好きに捧げる父と子の物語。
野球嫌いのはずの父は、昔マイナーリーガーだった
野球嫌いのはずの父の遺品の中にある一枚の写真。そこにはアメリカで野球をしている若き日の父が…。野球好きに捧げる父と子の物語。
内容説明
売れっ子作家の本谷要は、作家になることに反対し、音信不通となった商社マンの父・総一郎の訃報を聞き、心ならずも、遺品の整理をすることとなった。要は、その中に一枚の写真をみつける。そこには、南海ホークスの村上雅則が、日本初のメジャーリーガーとなる1年前、1963年に、マイナーリーグ・サクラメント・ゴールドハンターズで野球をする若き日の父があった―。仕事一筋で厳格だった父は、若き頃、自らと同じように祖父に反抗し、異国の地で新たな野球の魅力に取りつかれていたのだった。「父と子」不器用な三世代の男たちを、「野球」を通して描いた感動の物語。
著者等紹介
堂場瞬一[ドウバシュンイチ]
1963年生まれ。茨城県出身。青山学院大学国際政治経済学部卒業。2000年秋『8年』にて第13回小説すばる新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みかん🍊
94
不仲で音信不通だった父が亡くなり遺品整理に行った先で父がアメリカのマイナーリーグに所属していたと思われる写真を見つける、作家としての興味をそそられ渡米して父親のチームメイト達を訪ねる、メジャーで活躍する日本人選手がいる現代と違いマイナーとはいえアメリカの球団で活躍することはない時代、自分の成績だけに固執しチームへの貢献、チームワークなど考えてない選手達をまとめ優勝へ向けて貢献する若き日の父の姿には感動させられました。結局は息子は父の掌の上で踊らされている。サンフランシスコの乾いた空気感を感じられました。2015/09/11
chimako
86
【堂場瞬一祭り】これは野球を愛した父とそれを全く知らなかった息子の物語。息子は父の掌の中で必死に自由を探し、何とかそこから逃げたしたと思ったとたんに思い知らされる。やっぱり掌の中だと。主人公は父親の反対を押しきり小説を書いている。全く関わりを持たず時を過ごしてきた。その父が死んだ。遺品整理のために家に帰る。パソコンを開く。そこに保存されていた写真。野球をする父親が写っている。それも日本ではない。アメリカだ。どういうことだ?謎解きとその父の野球づけの3ヶ月が描かれる。黄金の時……まさに人生の黄金の時だ。2015/12/29
それいゆ
85
これまでの堂場作品とは少し趣の異なるスポーツものでした。久しく「Number」を読んでいないので、この物語はすごく新鮮で、ノンフィクションを読んでいるかのようでした。日本初のメジャーリーガー村上雅則投手の時代は、とても懐かしく現在の日本選手の活躍など想像もできませんでした。この作品は映像化すれば傑作が完成しそうです。単なる野球小説の枠を超えた、三世代の親子の歴史が交錯する人間ドラマに仕上がるような気がします。2015/07/15
いつでも母さん
70
久々の堂場さんのスポーツ物。しかも野球!ほぼ絶縁だった父の死をきっかけに、作家の性からと云いつつ父親の『黄金の時』を巡る物語。堂場さんの事なの?と思いを馳せつつ面白く一気に読了。米国で野球を通して男同士ってのがいいなぁ。父親と息子って大人になるとかなり微妙になるよね(だから母親がクッション的な役割としてありがたいのだ・・笑)結局のところ反発しようが、疎遠になろうが同じ『血』なんだよ!嫌い嫌いも好きのうちってね(違うか)父親の父(祖父)はちゃんと見ていたし。そう、息子・本谷作家の『黄金の時』はこれからだ!!2015/07/03
背古巣
49
『私の黄金の時はいつだったろう?』この作品を読んで思ったことです。私が、要と会っているニックと同じ年代となったときに、あれが私の黄金の時だと言えるような人生でありたいものだと思う。私は父の掌の上からははみだし、落っこちた部類だろうが…。この作品は面白い!というより、非常に興味深い内容だった。2017/12/18
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