ナイルパーチの女子会

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  • サイズ B6判/ページ数 352p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163902296
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

ブログがきっかけで出会ったキャリアウーマンの栄利子と専業主婦の翔子。その「友情」は次第に思いもよらぬものに変わってゆき……。

丸の内の大手商社に勤めるやり手のキャリアウーマン・志村栄利子(30歳)。実家から早朝出勤をし、日々ハードな仕事に勤しむ彼女の密やかな楽しみは、同い年の人気主婦ブログ『おひょうのダメ奥さん日記』を読むこと。決して焦らない「おひょう」独特の価値観と切り口で記される文章に、栄利子は癒されるのだ。その「おひょう」こと丸尾翔子は、スーパーの店長の夫と二人で気ままに暮らしているが、実は家族を捨て出て行った母親と、実家で傲慢なほど「自分からは何もしない」でいる父親について深い屈託を抱えていた。
偶然にも近所に住んでいた栄利子と翔子はある日カフェで出会う。同性の友達がいないという共通のコンプレックスもあって、二人は急速に親しくなってゆく。ブロガーと愛読者……そこから理想の友人関係が始まるように互いに思えたが、翔子が数日間ブログの更新をしなかったことが原因で、二人の関係は思わぬ方向へ進んでゆく……。

内容説明

ブログがきっかけで偶然出会った大手商社につとめる栄利子と専業主婦の翔子。互いによい友達になれそうと思ったふたりだったが、あることが原因でその関係は思いもよらぬ方向に―。女同士の関係の極北を描く、傑作長編小説。

著者等紹介

柚木麻子[ユズキアサコ]
1981年、東京都生まれ。立教大学フランス文学科卒業。2008年、女子高でのいじめを描いた「フォーゲットミー、ノットブルー」で第88回オール讀物新人賞を受賞。10年、受賞作を含めた単行本『終点のあの子』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

1206
柚木麻子は新作が待ち遠しい作家の一人です。表紙、女子会というタイトルから何時ものパターンと思いきや、獰猛なナイルパーチの如くホラーな小説でした。柚木麻子の新境地でしょうか?それとも今回だけ桐野夏生グロテスクが憑依したのでしょうか?次回作がどんな雰囲気の小説になるのか楽しみです!2015/04/06

遥かなる想い

1140
ナイルパーチという魚は 見た目からは想像もできない程の凶暴性を持つらしい。 ブログをきっかけに知り合った 栄利子と翔子。背後に潜む 女同士の「めんどくささ」と 密かに感じるいさかいの 予感が読書に適度な緊張感 を与える。 それにしても、翔子に 対する栄利子の執着心は 不気味で怖い…友達が いない女性たちの心の 叫びがひどく生々しい、 そんな物語だった。2015/11/15

ヴェネツィア

999
爽やかな表紙とは裏腹になんとも切なくもやるせないお話。『BUTTER』もそうだったが、ここでも主要な登場人物は2人とも強烈なばかりの個性を横溢させている(翔子の方はそれほどでもないが)。栄利子のイメージ造型の背後には、東電OL事件の彼女が見てとれる。何と孤独な人生だったことか。一流大学を出て、一流の商社に入り、働き甲斐のある仕事もまかされて。しかし、そんなものは所詮は虚妄であるのかもしれない。彼女の希求してやまない女子の親友もまた。翔子の父親や杉下の表現など柚木麻子は男にも厳しいが、女にも全く容赦がない。2022/03/16

風眠

989
どんなに言葉を尽くしても、分かり合えない人はいる。捉え方で気持ちがすれ違ってしまうことだって、ある。それは誰が悪いとかではなく、しかたのない事。女同士だけじゃない、男同士だって、男と女だってそう。違う星の人間って開き直れれば楽なのに、どこかで期待してしまうから苦しい。それでも分かり合いたいって、お互いぶつかり合った向こうに本当の友情があるんじゃない?って私は思うけど。ブログがきっかけで知り合った栄利子と翔子。つまりは「女友達がいる自分」になりたかった、そんな女の友情ってやつをブラックな視点から描いた物語。2015/04/17

yoshida

809
商社に勤務する栄利子は、気取らない主婦のブログを楽しみにしていた。ブログの主である翔子と栄利子は知り合う。お互いに人との距離のとり方にギャップのある二人。二人とも大きな変化に見舞われる。ラストに救いがあるが、栄利子の変貌がまるでホラーのよう。栄利子に引き摺られて翔子も狂ったようにブログにのめり込む。そして真織の恐ろしさ。人と人の距離感がテーマと思うが、あまりにも女性のキャラが立ち過ぎていて、まるでホラー小説のようであった。それとも、ここに描かれる女性達がリアルなのか。衝撃的で一気に読んでしまった作品です。2017/05/14

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