出版社内容情報
老作家・藤田杉のもとにある日届いた訃報――それはかつての夫、畑中辰彦のものだった。杉は回想の中にあらためて辰彦の姿を探す…。
老作家・藤田杉のもとにある日届いた訃報――それは青春の日々を共に過ごし、十五年のあいだは夫であった畑中辰彦のものだった。共に文学を志し、夫婦となり、離婚ののちは背負わずともよい辰彦の借金を抱えてしゃにむに働き生きた杉は、ふと思った。あの歳月はいったい何だったのか? 私は辰彦にとってどういう存在だったのか? そして杉は戦前・戦中・そして戦後のさまざまな出来事を回想しながら、辰彦は何者であったのかと繰り返し問い、「わからない」その人間像をあらためて模索しようとした……。
『戦いすんで日が暮れて』『血脈』の系譜に連なる、かつて夫であったでひとりの男の姿をとことん追究した、佐藤愛子畢生の傑作長編小説。
内容説明
私の夫であったあなたは、いったい何者だったのですか?老作家・藤田杉のもとにある日届いた訃報―。それは青春の日々を共にし、十五年のあいだは夫であった畑中辰彦のものだった。尊敬し信頼もしていた辰彦が後に杉を苦しめ、「ぼんくら」「明るい詐欺師」と呼ばれたのは、いったいなぜだったのか?遠い記憶の中に、杉は辰彦のほんとうの姿を探し始めた…。「戦いすんで日が暮れて」から四十五年、佐藤愛子が人生のすべてを懸けて描く鎮魂歌。
著者等紹介
佐藤愛子[サトウアイコ]
大正12年大阪生まれ。甲南高等女学校卒業。昭和44年「戦いすんで日が暮れて」で第六十一回直木賞を受賞。昭和54年「幸福の絵」で第十八回女流文学賞を受賞。佐藤家の荒ぶる魂を描いた『血脈』の完成により、平成12年に第四十八回菊池寛賞を受ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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