黄金(きん)の烏

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  • サイズ B6判/ページ数 350p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163900957
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

八咫烏が支配する「山内」を揺るがす危険な薬と人喰い大猿。その謎の解明に奮闘する世継ぎの若宮と元近習・雪哉は危険を顧みず――。

八咫烏が支配する世界〈山内〉を揺るがす危険な薬と人喰い大猿。
故郷の危機に敢然と立ち向かう世継ぎの若宮と元近習・雪哉は危険を顧みず――。

2012年『烏に単は似合わない』で、史上最年少の20歳で松本清張賞を受賞した阿部智里。翌年に受賞作と対をなす『烏は主を選ばない』を上梓。人間の代わりに八咫烏の一族が支配する世界〈山内〉を舞台に、次の統治者である日嗣の御子の座をめぐり、東西南北の四家の大貴族と后候補の姫君たちを巻き込んだ権力争いを波乱万丈に描ききった。本作『黄金(きん)の烏』もやはり山内を舞台にした、壮大な和製ファンタジー。しかし宮中を飛び出し、そのスケール感は飛躍的にアップした。
物語は世継ぎの若宮と、郷長のぼんくら(とされる)次男坊が、危険な薬〈仙人蓋〉の探索にでかけるところからはじまる。不穏な気配を漂わせた旅先で、何と彼らが出会ったのは、人を喰らう大猿だった! 壊滅した村の中でたったひとり残されたのは、謎の少女・小梅。――いったい僕らの故郷で、なにが起こっているのだろう?
山内の危機に際し、若き主従は自らの危険を顧みず、事件のヒントを持つと思われる暗黒街の支配者のもとに出向く。そこで雪哉に課されたのは、未知の隧道の先にある物を持ち運ぶことだった。深い暗闇の底での冒険の末、雪哉が見たものとは?
スペクタクル満載の本作は三部作の最高傑作にして、新たな展開をも予感させる意欲的な書き下ろし大作。「世界に通じるファンタジー作家」を目指す、阿部智里の才能にますます心奪われる一冊となっている。

内容説明

八咫烏の一族が支配する世界山内で、仙人蓋と呼ばれる危険な薬の被害が報告された。その行方を追って旅に出た、日嗣の御子たる若宮と郷長のぼんくら次男雪哉が、最北の地で発見したのは、何と村人達を襲い、喰らい尽くした大猿だった。生存者は小梅と名乗る少女がひとりだけ―。一体、この世界で何が起こっているというのだろう?

著者等紹介

阿部智里[アベチサト]
1991年群馬県生まれ。早稲田大学文化構想学部卒業。2012年『烏に単は似合わない』で松本清張賞を史上最年少受賞。14年早稲田大学大学院文学研究科に進学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちはや@灯れ松明の火

161
君がため一度は絶った主従の絆。見慣れた筈の故郷に響く不吉な羽の音、見飽きた顔の助太刀は切っても切れぬ縁の証。うつけとぼんくら、大切なものを守るべく再び携えた翼、己がため烏は主を選ばざるを得ない。心身を蝕む薬、猿に喰らわれた集落、独り生き残った娘、災厄の影が足下に忍び入る。綻びを繕う弓矢、地下に転がる髑髏、涸れ井戸が求む生贄、影あれば黄金の光もまた出づる。人材不足四面楚歌、少数精鋭適材適所、己がため、否、皆がため。烏は自ら運命を選ぶ、二度と袂を分かちはしない、総てを守るあなたを守る黒い翼がこの身にほしい。 2015/09/24

takaC

145
図書館本を5ヶ月近く待ってようやく読めた。面白かった。でもこの八咫烏サーガ、作者の智里さんは勢いで書いてるのか、登場人物のキャラが巻を追うごとに徐々に変わってきている気がする。そんなに不満というわけではないけど。2014/12/11

優希

138
久々に八咫烏の世界に旅してきました。前2作が世界を作った物語であるのに対し、3作目からようやく物語が動き出した感じがします。とても壮大なファンタジー。黄金の烏とは何かが徐々に明らかになってきました。若宮の負う運命の重さが苦しい。雪哉の忠誠心が今後襲うであろう厳しい現実を予感させます。金烏と山内の世界が不安定で脆く、不穏な空気を感じさせました。八咫烏の奥深さを見ただけでなく、今後の展開が気になります。シリーズ、本格始動ということで、これからも追いかけますよ。2016/06/27

みっちゃん

134
雪哉、待ってたよ!心配したんだから、もう!巻を重ねるごとに、面白味を増すこのシリーズ。「烏」「猿」「人間」第1作では、想像だにしなかった、広く奥行きのある物語世界らしい。この中で「真の金烏」←その真の姿を知った時はやはり驚いた である若宮はどのような役割を果たしていくのだろう。そして、作者が紡ぐこの壮大な物語のタペストリーはどんな複雑な織り込みが成されるのだろうか。世に出された第4作も早く手にしたいものだ。2015/08/04

mocha

110
冒頭から世界に引きこまれ、一気読み。1、2巻では最後のどんでん返しでようやく諸々明らかになるという構成だったが、今回は全編に渡ってわくわくさせられた。確実に上手くなってる!次巻での雪哉のさらなる成長が楽しみ。2015/12/06

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