出版社内容情報
海鳥の脳と目玉を食らうネズミの脅威。貴重種を守るために、世界中の島々で大規模な殲滅作戦が始まった。戦慄のノンフィクション。
現在、大規模な野生動物の救出作戦が世界中で進められている。その舞台は、大海原に散らばる島々だ。余り知られていないが、地球の陸地の5パーセントに過ぎない島嶼に、危機的な状況にある生物の半数が棲息している。それら絶滅危惧種にとって最大の脅威は、本土から人間によって持ち込まれた動物たちだ。ネズミ、ネコ、イタチ、ブタ、ヤギ……。人類が地球全体に広がった時期に島々に侵入した捕食者たちは、無防備な先住者たちを襲い、その環境を破壊し続けた。
本書は、ニュージーランドの「飛べないオウム」カカポや、アリューシャン列島のウミスズメ、バハ・カリフォルニアの海鳥など、外来生物によって絶滅の危機に瀕した生物と、その保護に立ち上がった人々の苦難の歴史を描く。しかし、物語は悲劇では終わらなかった。近年になって、意欲的な自然保護グループが登場し、島の固有種を救出し始めたのだ。現在、地球上の800以上の島々で、生態系を破壊する動物の駆除が進められている。その手法は驚くほどスピーディーで徹底的だった。なにしろ空中からヘリで毒餌を散布し、敵を皆殺しにするのだから。その「非人道的」な駆除方法に対して、学者や動物愛護団体から激しい反撥が起きる──。
著者は科学ジャーナリストのウィリアム・ソウルゼンバーグ。地球的規模で起きている生物多様性の減少が、人類が1万5千年前に大型捕食動物を次々と絶滅に追い込んだゆえに起きたことを指摘した『捕食者なき世界』の著者で、本書はその続編ともいえる。ひとつの種を救うためには、ネズミなどの外来生物を一匹残らず殺戮する必要があるというパラドクスを描いた、サイエンス・ノンフィクションの傑作。
内容説明
ニュージーランドの「飛べないオウム」カカポ、アリューシャン列島のウミスズメ、バハ・カリフォルニアの海鳥。絶滅の危機に瀕した島の固有種を救う唯一の方法、それはネズミなど外来生物を一匹残らず殺戮することだー。科学ジャーナリズムの第一人者が、前作『捕食者なき世界』に続き、生物多様性の意義を問う、衝撃のノンフィクション!
目次
太平洋の墓場
無人島の番人
ベーリング海のキツネ
楽園の破局
地球でもっとも弱い動物
ネズミを出血させる薬
バハ・カリフォルニアのネコ
ネズミも痛みを感じている
集まったラット・バスターズ
シリウス岬の殺戮
イースター島はなぜ滅亡したのか
消えたネズミ
著者等紹介
ソウルゼンバーグ,ウィリアム[ソウルゼンバーグ,ウィリアム] [Stolzenburg,William]
科学ジャーナリスト。『ネイチャー・コンサーバンシー』誌の編集者を15年間務めた後に独立。保全生物学について20年以上にわたり取材を続け、同誌のほか『サイエンス・ニュース』誌、ワシントン・ポスト紙などに記事を書いてきた。野生生物の研究によりニューメキシコ州立大学で修士号を取得。現在、ウェストバージニア州シェパーズタウン及びバージニア州フェアファックス在住
野中香方子[ノナカキョウコ]
翻訳家。お茶の水女子大学文教育学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
魚京童!
ばんだねいっぺい
ヨクト
ようはん
たかぴ