出版社内容情報
今世紀、ドラマティック・エンディングからナチュラル・エンディングへと、日本人の死生観は変わった。鮮烈な印象の「民草の死」集。
日本人はこんなにもうつくしく逝けるのか――。二十一世紀に入り、日本人の死生観は変わった。ドラマティック・エンディングからナチュラル・エンディングへ――死は、劇的な大事件から、身近でさりげないものに変わった。誰にでも確実に訪れる死と、私たちはどう向き合っていくのか。見送る人に鮮烈な印象をのこした市井の男女三十通りの「逝きかた」。そこから失われつつあった日本人への信頼感がふたたび静かによみがえってくる。超・高齢化社会を鋭く見据えた、語りおろしインタビューと「十六通りの二十世紀の死」を併録。第75回文藝春秋読者賞受賞。
内容説明
日本人はこんなにもうつくしく逝けるのか。第75回文藝春秋読者賞受賞。全国から寄せられた投稿より感動的な四十六編を収録。
目次
二十一世紀のうらやましい死に方
日本人の逝き方に感動する
よりよい逝き方を求めて
いままで、ずっとありがとう
ひとりで去るのも悪くない
あなたにまた会える日まで
二十世紀に去った、なつかしい人びと
逝き方いろいろ
すこしも特別なことじゃない
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- 評価
京都と医療と人権の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
玖良やまだ
18
著者が、ある雑誌の読者に「うらやましい死に方」の投稿を募集したところ、854通の応募があり、感激した文章を抜粋した著書である。「生き方」とは「逝き方」であるという。誰もがいつ死ぬかわからない。「宝くじが当たって興奮して、心臓が止まってしまった。」なんてこともないとは言えない。「明朝、息してるかなあ?」わからない。だから今日起こった事は、眠る前に、良き悪き別にして、反省・感謝してなるべく後悔のないようにしようと思った。2019/04/28
kiho
12
それぞれに、その人の人生を歩んできた市井の人々の去り際エピソード⭐家族への思いや自分の気持ちの整理…お別れの時がまるでわかっているような振る舞いに驚きつつも、じんわりとした思いがつのりました♪できれば自分も心の準備と周囲の人への感謝を伝えて旅立てればいいなぁと思いつつ、これはなかなか難しいと実感。2015/04/01
Ryoko
4
羨ましい死に方について一般公募をした中で選ばれた実際の臨終の話が並ぶ。死に直面した時、冷静に周りにも気遣いをして亡くなる人の話がたくさん。心が温かくなった。 「死に方に生き方が現れる」というのには激しく同意。誰もが最も怖れる死の間際にその人の本質が現れるなぁと最近しみじみ思う出来事があった。2018/06/23
こはだ
4
母親を亡くしてから早7年。ずっと、自分はどんな風に死ぬのだろうと考えている。未婚で、もちろん子どももなくて、ひとり。一人なのはいいとして、どんな暮らしをして、どんな最期を迎えるのか・・・。投稿された様々な死に様は、確かにうらやましいものばかり。ますます、死に方について考え込んだ。自分の誕生日に読む本として、ある意味、適した一冊だった。2014/05/16
ななころび
3
私の祖父母は自宅で老衰で亡くなりました。二十数年前までは、普通のことでしたが、今ではうらやましい死に方になるのでしょうか。余命を悟ってきれいに身辺整理をして旅立たっていかれた方々には頭が下がります。みごとな生き方の表れです。日頃の生活が怠慢で死ぬときだけきちんと、なんてできるわけないでしょうから。 死に方は選べない。一人暮らしだと孤独死の可能性は高い。いつ何があっても恥ずかしくないように、毎日をすっきり、きちんと生きようと思った。2014/06/29