出版社内容情報
顔の爛れたおばさんと暮らすぼく。月の見張りの老人、アパートのおじさん。富に無縁な人々を静かに雨が包む。永遠を結晶化した傑作。
「ぼく」を通して語られる、いつか、どこかで暮らしていた人々の物語。おばさんは幼い頃、「ぼく」の母親が窓から捨てた油で顔に消えない痕がのこるが、のちに、刑務所に入った父親、交通事故死した母親のかわりに「ぼく」をあずかる。幼馴染みたち、アパートの飲んだくれのおじさん、月を見張っているおじいさん――。富とは無縁の人々を、静かな雨が包み込む。「永遠」にめぐる世界を閉じ込めたかのような奇跡的中編。
内容説明
父は入院している。母は車にはねられて死んだ。ぼくはおばさんと暮らしている。ある日少年は父親の見舞いに出掛けた。不良の中学生、子鹿のような女の子、月の番人…やがて子供の姿の父と母に出会う。生者も死者も人間も動物も永遠を往還する―。
著者等紹介
山下澄人[ヤマシタスミト]
1966年、神戸市生まれ。富良野塾二期生。1996年より劇団FICTIONを主宰、作・演出・出演を兼ねる。2012年、書き下ろし小説『緑のさる』で第34回野間文芸新人賞を受賞。2011年に創作ユニット「YAMASHITA SUMITO+59」を立ち上げ、札幌での演劇ワークショップ「Lab」など、様々な活動を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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