てらさふ

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  • サイズ B6判/ページ数 397p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163900087
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

北海道の小さな町で出会ったふたりの女の子「ニコ」と「弥子」。共闘して仕事をして「ここではないどこか」へゆこうとするが……。

自分がまがいものであることは承知の上で、スーパースターになって2010年代を疾走することを夢想する堂上弥子(どうのうえやこ)。耳の中で鳴る音に連れられ、どこかに行きたいというきもちがつねにうねっていた鈴木笑顔瑠(すずきにこる=ニコ)。
北海道の小さな町で運命的に出会ったふたりの中学生は、それぞれ「ここではないどこか」に行くため、一緒に「仕事」で有名になることを決める。その方法は弥子が背後に回り、ニコが前面に出るというもの。最初の仕事は読書感想文コンクールでの入選。弥子が書いてニコの名前で応募した感想文は見事文部科学大臣奨励賞を受賞、授賞式にはニコが出席した。
ふたつめの仕事は、史上最年少で芥川賞を受賞すること。ニコの曽祖父の遺品の中にあった小説を弥子がアレンジして応募した小説「あかるいよなか」は、芥川賞の登竜門となる文芸誌の新人賞を受賞する。作品はその後順当に芥川賞にノミネート、そしてついに受賞の時を迎えるが……それは「てらさふ」仕事を続けてきた、ふたりの終わりのはじまりだった――。
てらさふ――とは「自慢する」「みせびらかす」こと。「てらさふ」弥子とニコがたどり着いた場所は? 女の子の夢と自意識を描きつくした、朝倉かすみの野心作。

内容説明

北海道小樽在住の中学生・堂上弥子と鈴木笑顔瑠。中学一年の三学期、運命的に出会ったふたりは、「ここではないどこか」に行くため、手を組んで「仕事」をすることにした―。

著者等紹介

朝倉かすみ[アサクラカスミ]
1960年北海道生まれ。2003年「コマドリさんのこと」で第三七回北海道新聞文学賞、04年「肝、焼ける」で第七二回小説現代新人賞を受賞。09年に『田村はまだか』で第三〇回吉川英治文学新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ウッディ

119
頭が良く何者かになりたい弥子と美人でどこかに連れて行ってほしいニコ、二人の中学生は卵の黄身と白身のような関係で、有名になる方法を考える。読書感想文で賞を取り、届けられることがなかった小説原稿を使って、最年少の芥川賞受賞者となった二人の願いは叶ったのか?同じ夢を見ていた頃と思い通りに進みニコだけにスポットライトが当たるようになってからの二人の関係の変化と弥子のずる賢さが痛々しかった。ある意味、敏腕プロデューサーとしての才能を持つ弥子が嘘の成功は脆いという事実を知り、どんな大人に成長するのか興味を抱いた。2020/04/03

風眠

81
ここじゃないどこかへ、華々しく颯爽と十代を駆け抜けたい。例えばそう、ウィキペディアに名前が載っちゃうくらい有名になって。欲しい肩書きは色々あるけれど、何でもいいって訳じゃない。十代の鮮烈さに相応しい、作家、モデル、映画監督、フォトグラファーみたいな華やかなものがいい。それとも全部手に入れる?「私たち」で伝説をつくるの。ルックス担当はニコ、ブレーン担当は弥子。他愛の無い妄想かも、でも世の中を騙せたら、愉快じゃない?善と悪、白と黒、卵の黄身と白身。秘密という名の毒入りコーラを飲もうよ。真っ黒になるまで飲もう。2014/09/01

あつひめ

80
若いうちしか妄想の世界に浸れないよなぁ…とページをめくり、二人の会話が進むごとに若かった昔の自分を思い返した。ちょっとちょっと~オタモイってあのオタモイ?と違う所で反応してしまった。若い頃なんて…今思い出すと顔から火が出そうなことを恥ずかしげもなく考え口にする。子供のうちは汚れなき妄想も、年を重ねるごとに垢まみれになっていく。そんな世界が飾り気なく語られている気がする。2014/06/04

里季

67
なんだい女の子同士のごたごた話かいめんどくさい、と思って読み始めたら、途中から引き込まれた。面白いぞ、この二人。最後の方、弥子が痛々しかった。言ってあげたいな、「自信を持って借り物ではない自分の足で自分の舞台に立ちなさい」って。2014/03/21

なゆ

65
北海道の小さな町の中学生、弥子とニコが芥川賞作家の最年少記録を目指すとは、なんと無謀な。ちらっとあらすじ聞いた時は、夢見る女子中学生のがんばり&ちょい暴走?くらいに思ってたが、朝倉さんだけあって結構ブラック。ビジュアル担当の可愛いニコと、執筆&マネジメント担当の弥子の最強のコンビとなって、世間をあっと言わせるために突き進む。思いついて実行する弥子のその集中力には恐れ入るが、裏方であり籠ってしまう分やっぱり危うくて、どんどんイタくなっていく。どうするの、どうするのって先が気になって一気読み。2014/04/09

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