出版社内容情報
秀吉、ねね、茶々、お江、田沼意次、芹沢鴨──持ち主を変え、江戸を生き抜いた南蛮渡来の手鏡の物語。急逝した著者入魂の連作長編。
秀吉への貢ぎ物としてポルトガルから渡来したぎやまんの手鏡。秀吉から於祢(ねね)へ、お茶々へ、お江へ、さらには赤穂義士や田沼意次、尾形光琳、はたまた芹沢鴨へと、時に贈答品、時には呪われた品として持ち主が代わっていく中で、鏡に写り込むのは江戸という時代の色と、人々の心模様──。二〇一三年三月に急逝した直木賞作家・北原亞以子さんが、十年あまり書き継いだ一大江戸絵巻『ぎやまん物語』がいよいよ刊行です。鏡を語り手に選んだことについて北原さんはこう書き残しています。
「鏡は人の顔だけでなく、様々なものを映します。鏡がそれを持っている人のどういう様子を映すかで、その人の内面まで描くことができたらと思っています」
端正かつたおやかな文章で、生涯江戸時代に生きる人々を愛し、書き続けた北原さんの集大成ともいえる作品です。
内容説明
秀吉、ねね、お茶々、お江、尾形光琳、赤穂義士、田沼意次、シーボルト、新撰組、彰義隊―。南蛮渡来の鏡が照らし続けた江戸三百年の壮大なる歴史。足かけ15年、著者が最期まで心血を注いだ大河時代ロマン!惜しくも急逝した著者最後の一文「ぎやまん身の上物語」収録。
著者等紹介
北原亞以子[キタハラアイコ]
東京都出身。コピーライターなどを経て、昭和44年「ママは知らなかったのよ」で第1回新潮新人賞を受賞し作家デビュー。平成元年『深川澪通り木戸番小屋』で第17回泉鏡花文学賞、平成5年『恋忘れ草』で第109回直木賞、平成9年『江戸風狂伝』で第36回女流文学賞、平成17年『夜の明けるまで―深川澪通り木戸番小屋』で第39回吉川英治文学賞受賞。平成25年3月逝去(享年75)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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mikipon
ふわりん
あかんべ
星落秋風五丈原
baba