ぎやまん物語

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  • サイズ B6判/ページ数 444p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163900070
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

秀吉、ねね、茶々、お江、田沼意次、芹沢鴨──持ち主を変え、江戸を生き抜いた南蛮渡来の手鏡の物語。急逝した著者入魂の連作長編。

秀吉への貢ぎ物としてポルトガルから渡来したぎやまんの手鏡。秀吉から於祢(ねね)へ、お茶々へ、お江へ、さらには赤穂義士や田沼意次、尾形光琳、はたまた芹沢鴨へと、時に贈答品、時には呪われた品として持ち主が代わっていく中で、鏡に写り込むのは江戸という時代の色と、人々の心模様──。二〇一三年三月に急逝した直木賞作家・北原亞以子さんが、十年あまり書き継いだ一大江戸絵巻『ぎやまん物語』がいよいよ刊行です。鏡を語り手に選んだことについて北原さんはこう書き残しています。
「鏡は人の顔だけでなく、様々なものを映します。鏡がそれを持っている人のどういう様子を映すかで、その人の内面まで描くことができたらと思っています」
端正かつたおやかな文章で、生涯江戸時代に生きる人々を愛し、書き続けた北原さんの集大成ともいえる作品です。

内容説明

秀吉、ねね、お茶々、お江、尾形光琳、赤穂義士、田沼意次、シーボルト、新撰組、彰義隊―。南蛮渡来の鏡が照らし続けた江戸三百年の壮大なる歴史。足かけ15年、著者が最期まで心血を注いだ大河時代ロマン!惜しくも急逝した著者最後の一文「ぎやまん身の上物語」収録。

著者等紹介

北原亞以子[キタハラアイコ]
東京都出身。コピーライターなどを経て、昭和44年「ママは知らなかったのよ」で第1回新潮新人賞を受賞し作家デビュー。平成元年『深川澪通り木戸番小屋』で第17回泉鏡花文学賞、平成5年『恋忘れ草』で第109回直木賞、平成9年『江戸風狂伝』で第36回女流文学賞、平成17年『夜の明けるまで―深川澪通り木戸番小屋』で第39回吉川英治文学賞受賞。平成25年3月逝去(享年75)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mikipon

11
途中で何度も期限がきて図書館へ返却しながら、苦戦しつつ読了。戦国から江戸初期あたりまでは、一気に読んだけど、最後のほうは、ちょっと飛ばし読み気味でした。最後に作者の考えていた触りの部分の改稿が載っていて、全く違う始まりに見えて興味深かった。その続きを読むことはできないわけですが、ひょっとしたら大幅に書き直されていたのかもしれませんね。2014/09/09

ふわりん

9
長い物語だった、でも北原亞以子さんの最後の本なので一生懸命読んだ。ポルトガルの宣教師から豊臣秀吉に献上されたぎやまんの鏡が300年以上の歳月の間人から人へと渡り続け、その時代の流れを写し出していく物語。特に印象に残ったのは赤穂浪士の討ち入りに関した章。へぇそうだったんだ~と今までの思い込みを改めて見直したりもし、どの時代の話も興味深く読めた。最後は新撰組で終わりかと思いきや、たいこもちの身代わりになってくだけ散るとは。どの時代の話も知ってるようで知らないことがあり、とても興味深く読み応えのある一冊だった。2014/03/07

あかんべ

7
歴史小説家として全てを書きたかったのか?鏡を通して持ち主となった人生を映し出していく。しかし始めのころの於祢やちゃちゃ、お福まではいいが、政治の表舞台をなぞり出すと大事な局面で手に持っていたり、懐に入っていたりう〜んと唸ってしまう。その中でも青島俊蔵がキラリと光っていた。2014/03/11

星落秋風五丈原

6
持ち主をかえて生き続けるぎやまんの鏡が語る連作短編集。2014/02/15

baba

5
好きな作家、北原さんの遺作という事で読みました。ポルトガルの宣教師から秀吉、於祢そして最後は彰義隊まで次々に手渡されるぎやまんの手鏡が見聞きした事。歴史の逸話のくり返し的な要素もあり、それ知ってるよ的なこともあり、いゃー長かった。沢山の章がありますが、浮き沈み(後編)の俊藏の時の権力に巻き込まれながら一人の人間の生き様が描かれていて好きです。2014/05/16

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