出版社内容情報
漫画家と漫画編集者。その関係は走者と伴走者、それともSとM? 元青年漫画誌の編集長が描く驚くべき漫画界の熱きバックステージ。
情熱と労力をかけて必死に漫画を作り上げても「人気投票」には勝てない――。漫画編集者と漫画家の共闘とその関係の破綻、「担当の夜」、不人気の「大家」から破門される漫画編集者「担当の朝」、書かない新人漫画家のしたたかすぎる生命力「最後の担当」、なぜか早死にする漫画編集者たちへの痛切なレクイエム「俺酒」。元青年漫画誌の編集長だった著者が描く、知られざる青年漫画の熱かった季節。
内容説明
読者も、作品すらも、眼中になし!ただひたすらに漫画家との格闘稼業―!漫画家vs.編集者、血涙バトル小説!
著者等紹介
関純二[セキジュンジ]
1960年東京生まれ。上智大学卒。元青年漫画誌編集長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
マンガ道の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
むぎじる
36
青年漫画誌の男性編集者高野が、担当してきた漫画家との出会いと別れを振り返る連作短編集。自分の思いのたけを、作品の中にこれでもか、とぶつけてくる漫画家と、そんな数多の作品から、「これだ!」というものを発掘する編集者。いざ連載が始まったら、雑誌のカラーを壊さず、読者に受けるものを続けていかなければならない。編集者と漫画家の関係が、ベッタリでも2人で完結してしまいそうだし、その距離感の難しさ、息苦しさが伝わってくる。ラストで高野が語る、名物編集者の回顧譚がしみじみとよかった。2014/08/25
外道皇帝
8
漫画週刊誌の編集者・高野が関わった漫画家たちとの戦いの日々。編集者と漫画家との関係が裏話的に描かれていて面白い。「担当の朝」は明らかにジョージ秋山がモデルだよなあ。最後の「俺酒」は回顧録的なものでちょっと冗長で、不要に感じた。2014/02/18
barabara
8
偏屈かつ繊細な過酷な漫画家達にはりつき原稿をもらう担当編集者のブラックな本音が面白く切ない。漫画家と編集者の歪んだ愛、憎悪。一部をのぞき売上ブームは去り、どちらに対しても厳しい状況になる紙の売上。当てれば億、当たらなくてもそれなりの収入が約束されている出版社員。実際に経験してきた者にしか分からない本音がズバズバ放り込まれ、一編の小説になっているのは見事。表紙がまるで関係ない仕上がりになっているのもおかしい。2013/12/18
カロリーナ
5
☆2 衆智出版『週刊ヤングブラッド』。表紙と巻頭を巨乳グラビアアイドルが飾り、中身の七割は非合法的な漫画―暴力・性・違法走行・賭博等―、一言で言えば「ヤンキー雑誌」の編集者・高野と、担当している漫画家3人との共闘の日々と決別を描く3編と、先輩編集者への鎮魂の1編を収録した短編集。表紙は全く関係ないので注意が必要です。青年漫画は読んだことがなかったのですが、「週刊」って最早仕事の域を越えていますね。絵が描けなければまず出来ないけれど、それ以前に精神的、体力的に出来る人は限られていそうだと感じまし2014/02/06
びすけっと
3
漫画家と編集者のものがたり。繰り返される狂気の世界。週刊って人生すり減らすんだ。編集そのものがそうなのかな。 この物語に出てくるまんがのジャンル、私は好まないので読めない。 編集の世界、今は違うとほのめかす内容ですが、変わらずこういうものなのかなとも感じます。実際どうなのでしょう。2014/02/01