出版社内容情報
『源氏物語』のような大河恋愛小説でもあり、『失われた時を求めて』のような記憶についての物語でもある、異色の本格小説。
2013年1月、史上最高齢75歳での芥川賞受賞作『abさんご』が大きな話題となった黒田夏子さん。彼女が作家を志したのは20代の頃。世に出るまでの間に書き溜めた作品が幾つかありました。中でもご本人が自信作と語るのが、この『感受体のおどり』。今回、全面的に手を入れたうえで満を持して受賞第一作として発表します。
黒田さんは執筆と並行して、少女時代から日本舞踊に打ち込んできました。その踊りの世界を背景に、数十人の登場人物がドラマを織りなします。軸となるのは語り手の「私」が師匠である「月白」に向けるひたむきな恋。
もっとも登場人物たちの性別は一切明かされず、全文横書き、ひらがなを多用、といった独特のスタイルは、『abさんご』と共通します。
また、短い断章が連ねられながら恋愛模様が描かれていく様は『源氏物語』を、あるいは記憶の地層が掘り起こされていく様は、マルセル・プルーストの『失われた時を求めて』をどこか想起させます。
大河ロマンでもあり、究極の実験小説でもある異色の傑作です。
内容説明
日本舞踊の世界で繰り広げられる恋模様と、野望を秘めた群像。350の断章がらせん状に組み上げられた、『源氏物語』『失われた時を求めて』を想起させる大河小説。
著者等紹介
黒田夏子[クロダナツコ]
1937年、東京生まれ。59年、早稲田大学教育学部国語国文学科卒業。教員、事務員、校正者として働きながら、小説を書き続ける。63年、「毯」で読売短編小説賞を受賞、紙面に作品が掲載される。2012年9月「abさんご」で第24回早稲田文学新人賞(選考委員・蓮實重彦東京大学名誉教授)を受賞、75歳にして作家デビューを遂げる。同作は第148回芥川賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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