すなまわり

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  • サイズ B6判/ページ数 125p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163825403
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

相撲好きが高じ少年は行司になった。激しい稽古、間延びする自由時間、やめていく若手……角界の裏方の生態を描く、斬新な青春小説。

相撲好きの少年は、相撲記事となれば、小さな三面記事まで切り抜かずにはいられない。相撲中継に夢中で勉強は一切しない。自分の体格に見切りをつけ、行司の道を選んだ彼は、砂と汗にまみれたエキサイティングかつ単調な青春を送る――第149回芥川賞候補作。併録「乾燥腕」は第110回文学界新人賞受賞作。ひとり暮らしの若い男の、不快と、それと背中合わせの奇妙な悦びを描き、独特のおかしみを醸し出している。

内容説明

少年は、相撲に関する記事をゴシップにいたるまで、なんでも切り抜いた。高校に通う時間が惜しく、相撲部屋の行司になった。知られざる角界を内側から描いた表題作、またニート寸前の若者を描いた第110回文學界新人賞受賞作「乾燥腕」を収録。

著者等紹介

鶴川健吉[ツルカワケンキチ]
1981年、東京都生まれ。都立高校中退後、相撲部屋に行司として入門。2007年大阪芸術大学芸術計画学科卒業後、コマーシャル制作会社、映画制作現場、温泉旅館などで働く。10年「乾燥腕」で第一一〇回文學界新人賞を受賞。13年「すなまわり」が第一四九回芥川賞候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

散文の詞

124
-すなまわり- 細かすぎる表現は、引き気味になるほどですが、行司でないと知り得ない裏の仕事をユニークな文章で書いていて、結構興味がわきます。 とはいえ、相撲に興味がないと面白くはないかも。 唐突な終わり方には、どういう意味があったのでしょうかね? -乾燥腕- 不快さを文章にするとこんな感じになるのかと思った。どうということもない話のだがなぜだか読んでしまった。 いや、これからなにか始まるのか? 2020/12/14

アマニョッキ

50
「すなまわり」がとても面白かった。相撲にはほとんど興味がないけれど、元行司の描く相撲文学は素晴らしかった。これを読んでいると相撲界とはことごとく閉鎖的な社会だと感じる。一時期話題だった「かわいがり」なんていうのも当たり前だと思わせてしまう世界。かかとが割れていく描写と、砂風呂のシーンが好き。「乾燥腕」は古井由吉さんみたいだなーと少し思ったり。この方の書いたものをもう少し読んでみたいと思うけれど、最近はあまり書かれてない様子。もったいない。すなまわりだけでもいいので、純文学好きな方にぜひ読んでほしい作品。2019/08/24

ガクガク

24
芥川賞候補作の表題作と「乾燥腕」の2作品収録。表題作は著者がかつて入門した行司の世界と相撲部屋周辺での体験をもとにした物語。相撲業界のいわゆる裏話が描かれていて題材は珍しいものの、作品自体に魅力は感じない。頭の変な会社員の主人公と同じアパートに住むこれまた頭のおかしな老人を描いた「乾燥腕」もタイトルがしっくりこないし、文學界新人賞受賞というのも、にわかには信じがたい。2014/01/03

いたろう

23
元・相撲の行司が書いた行司の小説、というのは確かに興味深いのだけれど、短編であっさり終わるので、しきたりだとか、仕事の進め方だとか、マニアックな話をもっと聞きたい分にはいささか読み足らず。併録の「乾燥腕」は何だか気色悪く、好きになれない。2013/09/28

tomi

22
相撲の行司を主人公にした芥川賞候補作。徹底的な上下関係にしごき… 元行司の経歴を持つだけあって、角界の内側が生々しく描写されていて興味深くもあったが、面白みに欠ける。 併録の「乾燥腕」は文学界新人賞受賞作。安アパートに住む孤独な男の日常を描いている。五感から受ける生理的な不快感から目をそらさない精密な描写が印象的で、その分気持ち悪いのだがこちらの方が好み。2013/10/02

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