出版社内容情報
『死神の精度』で活躍した「千葉」が8年ぶりに帰ってきました。クールでとぼけた死神を、今度は書き下ろし長編でお楽しみください。
著者等紹介
伊坂幸太郎[イサカコウタロウ]
1971年、千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年、『オーデュボンの祈り』で第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞し、作家デビュー。2004年、『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、「死神の精度」で第57回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。2008年、『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サム・ミイラ
1200
結論から言えば、この死神シリーズは短編のほうが良いと思う。もっともこれは二作目だが。最愛の我が子を殺害された夫婦の復讐追跡行。犯人との壮絶な闘いと駆け引き。だがこれに千葉が加わることで暗い展開一辺倒にはならず飄々と時にユーモアも交え勧善懲悪。最後まで読ませる作品だった。ただ前作のように人それぞれの生き方や死を、幾つもの人生を紡ぐような物語ではなかったのが残念だった。次作はぜひ短編でお願いしたいと思う。2015/03/07
にいにい
1078
伊坂幸太郎さんの「死」を掘り下げた作品。死神の話だから当然?でも、千葉さんの真面目な仕事ぶりが誘う面白さがサイコパスや復讐を越え、好感持てるラストに収まる。「人間は、動物の中で唯一、死を知る存在」「人は必ず死ぬがそれを見ないようにしている」パスカルのパンセや渡辺一夫さんの引用を用い、死、平和と争いの話も考えさせられる。山野辺父の「先に見てくるからな」が秀逸。還元セールの伏線回収が見事!浮力への好感、瀉血、自転車も最高。エピローグも。良本に出逢える嬉しさは、日々を摘む糧になる。「精度」も読んでみよう!!2016/01/27
ダイ@2019.11.2~一時休止
794
見送りと可でこういうオチに持ってくるとは。長編でも千葉さんが面白かった2014/05/19
れみ
732
死神・千葉のシリーズ2作目、今回は長編。娘を殺した犯人と対決しようとする夫婦と千葉が行動を共にする1週間のお話。語り手が主に千葉ではなく千葉が調査する相手の山野辺で物語の雰囲気もサラッとはしないせいか、サクサク軽い読み心地というわけにはいかなかったけど、緊張感や千葉の相変わらず変な受け答えを楽しみながら読みました。とくに参勤交代を語る千葉が好き。現代が舞台じゃないお話も興味あるけど、それだと時代小説になっちゃうのかな(^_^;)2014/04/01
青乃108号
588
1作目よりかなり厚いな、とページを開いて面食らう。何と短編集ではない。500ページ超の長編小説だったのだ。サイコパスに愛娘を殺された小説家。彼が今回の死神千葉の調査対象だ。サイコパスと、奴に復讐を誓う小説家夫婦と何となく仕事がてら夫婦に協力する死神千葉。夫婦を嘲笑うかのように様々な罠を仕掛けるサイコパス。それでも夫婦は最後まで決して諦めず復讐を遂げんと物語は死神千葉と疾走していく。これは数々の名言と共に語られる、胸のすく復讐譚だ。死神千葉の、人間ではないので当然だが超人的な活躍ぶりが何とも頼もしい。傑作。2024/08/01