出版社内容情報
元OLの澪、人形マニアの富永、訳ありの凄腕・師村がいる「玉阪人形堂」。今日もこの店に人形に関する難題奇問が持ち込まれる――。
OLをリストラされたことをきっかけに、祖父母から譲り受けた「玉阪人形堂」店主となった澪。人形制作に関しては素人の澪だったが、押しかけアルバイトの人形マニア・冨永と、高い技量を持つ訳あり職人・師村の助けもあって、人形堂はそこそこにぎわいを見せていた。一時店はは閉店の危機に見舞われたが、資産家の坊(ぼん)でもあった富永が共同経営者の立場に立つことで、その危機は去った――。今日もこの小さな店には人形に関する様々な難題が持ち込まれる。赤いマーカーの汚れがついてしまったリカちゃん人形、グループ展でなぜか壊されてしまう人形作家の「ある作品」、髪が伸びる市松人形とその作者の謎、盲目のコレクターが持ち込んだ小田巻姫の真贋――。思いがこもった人形は、実は人間にとても身近な存在であることを、津原氏は円熟の筆で描きます。今まで自分の近くにあった人形は何であったか、自分の込めた思いは何であったか、その追憶と郷愁も誘う絶品「人形」連作集の第二弾。
内容説明
口紅を塗られたリカちゃん、髪が伸びる市松人形、伝説の作家が手掛けた昭和30年代のマネキン―素人同然の店主・澪、縫いぐるみの天才・冨永くん、わけあり熟練職人・師村さん―お店は本日も営業中!好評シリーズ第二弾。
著者等紹介
津原泰水[ツハラヤスミ]
1964年、広島市に生まれる。青山学院大学国際政治経済学部卒業。89年、津原やすみ名義で少女小説作家としてデビュー。97年、現名義で『妖都』を上梓以降、幅広いジャンルにわたる執筆活動を続ける。2006年に発表した自身の高校時代に材をとった『ブラバン』がベストセラーに。12年、『11』が第二回Twitter文学賞国内部門一位となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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