出版社内容情報
姉を見殺しにされ、天涯孤独となった青年が企てた計画。愛弟子の彼を前に、湯川が取った驚愕の行動とは。ガリレオ短篇の最高傑作!
『虚像の道化師 ガリレオ7』を書き終えた時点で、今後ガリレオの短編を書くことはもうない、ラストを飾るにふさわしい出来映えだ、と思っていた著者が、「小説の神様というやつは、私が想像していた以上に気まぐれのようです。そのことをたっぷりと思い知らされた結果が、『禁断の魔術』ということになります」と語る最新刊。
「透視す」「曲球る」「念波る」「猛射つ」の4編収録。ガリレオ短編の最高峰登場。
内容説明
湯川が殺人を?「自業自得だ。教え子に正しく科学を教えてやれなかったことに対する罰だ」。ガリレオシリーズ初の完全書き下ろし。
著者等紹介
東野圭吾[ヒガシノケイゴ]
1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒業。85年、『放課後』で江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。99年、『秘密』で日本推理作家協会賞、2006年、『容疑者Xの献身』で直木賞、12年、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』で中央公論文芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
669
ちょっとキレイにまとめすぎだなー。『探偵ガリレオ』の頃の湯川先生とキャラ違うぞ。おまけ:間宮(草薙の上司)「馬鹿は馬鹿で困るが、優秀すぎるのも考えものだ。」(p246)湯川「わかっている。彼(草薙)もまた馬鹿ではない」(p255)2014/05/14
ダイ@2019.11.2~一時休止
527
ガリレオその8。短編集。猛射つが中でも良かった。本作もトリック重視のようでイイ。2013/07/08
どんちん
475
むむむこれまた4編?!と思ってしまった(笑)が、前作とは同じ短編ではあるが質(種類?)が違うようだ。個人的にはこの4編の方が好きだな。トリック(を解く理論)もそうであるが、人間性にも踏み込んでいる。いや、トリックは飾りのようなものかもしれない。内海に知恵をもらったとはいえ、湯川に勝利した草薙、うろたえている湯川?の「透視す」、容疑者Xとまではいかないが、いつもと違う?いや湯川の思いがでていた「猛射つ」(これは、短編より中編?)。他の二つもよかった。これまた満足の一冊であった。2013/03/01
kishikan
474
ガリレオシリーズ、全部読んでいるつもりなんだけどこれで何冊目になるのかなぁ。これまで読んだ短編ガリレオでは、一番好きかな。科学的なトリックという意味では、既刊の作品の方が新鮮で意外性に富んでいたと思うけど、この作品は、心の動きと事件、そして科学トリック、そして偶然性が微妙に絡んだ作品に仕上がっていたね。特に、ラスト(第四章)の「猛射つ」は短編というより、150頁を超える中編なんだけど、胸を打つ内容だった。湯川先生も「真夏の方程式」以来、クールさより、熱い情を表に出すタイプに変身したのかしらね。良作!2014/09/26
そのぼん
451
ガリレオシリーズ第八弾。短編集ながら、読みごたえがありました。ホステスの女性が殺された事件を扱った『透視す(みとおす)』と、湯川のもとに高校の後輩にあたるの少年が訪れた場面から始まる『猛射つ(うつ)』がとくに良かったです。2013/03/02