出版社内容情報
井伊家赤備えの足軽鎧、朝鮮渡りの西洋甲冑、但馬の国出石に伝わる小猿の甲冑など。短篇の名手が描く珠玉の6篇からなる歴史秘話。
内容説明
武士の夢、出世、野望、無念の死を抱えた六つの甲冑の秘話。信長、秀吉たちにまつわる世にも奇妙な物語。
著者等紹介
東郷隆[トウゴウリュウ]
昭和26年横浜生まれ。国学院大学経済学部卒業。編集者を経て執筆活動に入る。「大砲松」により平成6年度吉川英治文学新人賞、「狙うて候」により平成16年度新田次郎文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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makka
6
甲冑にまつわる短編が戦国期から幕末まで6話。著者と鎧や登場人物との関わりが導入部で語られ、そこから小説が展開するスタイル。小猿主水、金時よろいが面白かった。2013/11/04
ソババッケ
5
甲冑にかかわる6編。武具に詳しい作者だけに、物語りの展開に迫力がます。朝鮮の役を描いた「モクソカンの首」、関ヶ原戦後の上杉、伊達戦などの「角栄螺」、長州征伐での芸州口を進んだ井伊隊の惨敗を描いた「金時よろい」など。小説で採りあげられることの少ない戦さを活き活きと描写しているのは興味深い。「狙うて候」でも感じたが、武具の性能や使われ方の詳細を熟知しての、戦闘シーンには他の作者にない迫力を感じてしまう。★3.22012/09/23
あかんべ
5
戦国時代、甲冑がいろいろ工夫され目立ちを競う華やかな時代。そして鳥羽伏見の戦いで、むかしの甲冑が骨董品に落ちていく様が描かれていた。剣は残るが、繊維で作られる甲冑は、保存が難しい。骨董的価値は、こちらの方が高い?2012/09/15
CHRONO
4
戦国期から江戸期にかけての、個性的な甲冑とそれにまつわる文献調査から「生えてきた」ような6つの短編。少し神がかった逸話も採用しているため奇談となっているが、武具についてよく調査されたうえで書かれた丁寧で古風な筆致がたくましく、物語に奥行きと真実味を与えている。図書館で借りて読んだが、気に入って購入。東郷隆さんの本、全部読みたい。2021/02/04
芋餡饅ぢう
4
★★★それほど歴史に(そして甲冑に)くわしくない者としては、それぞれの甲冑の挿絵か写真があるともっと読みやすかったなぁと思います。2012/09/04
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