世界を売った男

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  • サイズ B6判/ページ数 271p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784163814506
  • NDC分類 923.7
  • Cコード C0097

出版社内容情報

一夜で6年間の記憶を失ってしまった許刑事。女性記者・蘆とともに「昨日まで捜査していた」6年前の事件の真犯人と己の記憶を追う。

内容説明

香港西区警察署の許友一巡査部長は、ある朝、マイカーの運転席で目が覚めた。酷い二日酔いで、どうやら自宅に帰らず車の中で寝込んでしまったらしい。慌てて署に向かったが、どこか街の様子がおかしい。署の玄関も改装されたように様子が変わっていて、ポスターを見ると2009年と書いてある。「馬鹿な、昨日は2003年だったのに!?」許巡査部長は一夜にして6年間の記憶を失っていた。呆然とする許だが、ちょうどそこに女性雑誌記者・蘆沁宜が現れ、許が昨日まで捜査していた夫と妊娠中の妻が惨殺された事件の取材で、許と会う約束をしたという。6年前の事件の真相と己の記憶を追い求める許の捜査行が始まる。奇想天外な発端と巧妙なプロットで圧倒的な支持を受け、第2回島田荘司推理小説賞を受賞。香港の鬼才が放つアジア本格の決定版。

著者等紹介

陳浩基[チンコウキ]
サイモン・チェン。1975年生まれ。香港中文大学計算機学科卒。台湾推理作家協会の海外会員。2008年、童話ミステリ「傑克魔豆殺人事件(ジャックと豆の木殺人事件)」が第6回台湾推理作家協会賞最終候補作となる。翌年には「藍〓(こ)子的密室(青髭公の密室)」と「窺伺藍色的藍(青き青を窺う)」の2篇が第7回台湾推理作家協会賞最終候補作となり、「藍〓(こ)子的密室(青髭公の密室)」で同賞を受賞。その後、『合理推論(合理的な推理)』がコミックリズ百万映画小説賞の三位に入選、SF短編「時間就是金錢(時は金なり)」が第10回倪匡SF賞の三位に入選している

玉田誠[タマダマコト]
1967年、神奈川県生まれ。青山学院大学法学部卒業。台湾において日本ミステリーの紹介や台湾ミステリーの評論を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おたま

58
陳浩基は、『13-67』を先に読だが、こちらが著者のデビュー作。しかし、どこか後の『13-67』へも繋がっていきそうな、香港を舞台にしたミステリー。香港警察の許巡査部長が、二日酔いで目覚めると、2003年だったはずの世界が2009年になっていた、というところから、次第に2003年に起きた事件の真相を再び探ることとなる。何重にも張り巡らされた伏線は、最終的に思わぬ地点に着地する。若干技巧に先走って、物語の作り込みが物足りないように思うが、デビュー作としては十分楽しめる。第2回島田荘司推理小説賞受賞作。2023/07/27

たいぱぱ

54
いったいお前は誰なんだ!?かなり粗削りで、PTSDの解釈など御都合主義的なところもあるけれど、十分に楽しめた。デヴィッド・ボウイの曲『世界を売った男』からタイトルを拝借しているが、そのボウイ自身のコロコロ変わる音楽性、イメージ戦略みたいにストーリーが二転三転して面白い。この辺も陳さんの計算の内でしょうね。BGMはもちろんボウイ。作中にも出てきた「life on Mars?」を高らかに歌いながら(笑)。陳さんは今後どんな作品を産み出してくれるんだろう?凄く楽しみです!2018/10/02

Kurara

50
★4.5 半分読んだところで図書館への返却。その後3か月を過ぎて読んだけど面白かった。PTSDによって解離性障害に陥った許刑事。最後までどうなるか予想ができなかったです。【21.34】2021/03/28

*maru*

43
『13・67』に続いて著者2冊目。ある朝、車の中で目覚めた許巡査部長。しかし、どこか様子がおかしい…。一夜にして6年間の記憶を失った男が、己の記憶ときっかけとなった殺人事件の真相を追い求める物語。記憶喪失が絡んだミステリーは若干苦手分野なんだけど、これは面白かった。『13・67』よりアップテンポでやり取りなどライトな印象だったが、伏線の張り方や回収のタイミングが絶妙で気の利いたラストにもニヤリ。最近じめーっとした作品が多かったので、爽快な余韻にドキドキしちゃったよ。こりゃ『ディオゲネス変奏曲』も楽しみだ。2019/06/01

keroppi

42
中国語で書かれた未発表作品を対象とした島田荘司推理小説賞第2回受賞作品。そんな賞があることも初めて知ったが、中華ミステリーも初めて。目覚めたら6年経ってしまっていた刑事が、事件の真相に迫る…なのだが、こんな展開だとは。人間存在の不安感を描くものは嫌いじゃないけど、うーん、これは…。2017/10/25

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