出版社内容情報
一夜で6年間の記憶を失ってしまった許刑事。女性記者・蘆とともに「昨日まで捜査していた」6年前の事件の真犯人と己の記憶を追う。
内容説明
香港西区警察署の許友一巡査部長は、ある朝、マイカーの運転席で目が覚めた。酷い二日酔いで、どうやら自宅に帰らず車の中で寝込んでしまったらしい。慌てて署に向かったが、どこか街の様子がおかしい。署の玄関も改装されたように様子が変わっていて、ポスターを見ると2009年と書いてある。「馬鹿な、昨日は2003年だったのに!?」許巡査部長は一夜にして6年間の記憶を失っていた。呆然とする許だが、ちょうどそこに女性雑誌記者・蘆沁宜が現れ、許が昨日まで捜査していた夫と妊娠中の妻が惨殺された事件の取材で、許と会う約束をしたという。6年前の事件の真相と己の記憶を追い求める許の捜査行が始まる。奇想天外な発端と巧妙なプロットで圧倒的な支持を受け、第2回島田荘司推理小説賞を受賞。香港の鬼才が放つアジア本格の決定版。
著者等紹介
陳浩基[チンコウキ]
サイモン・チェン。1975年生まれ。香港中文大学計算機学科卒。台湾推理作家協会の海外会員。2008年、童話ミステリ「傑克魔豆殺人事件(ジャックと豆の木殺人事件)」が第6回台湾推理作家協会賞最終候補作となる。翌年には「藍〓(こ)子的密室(青髭公の密室)」と「窺伺藍色的藍(青き青を窺う)」の2篇が第7回台湾推理作家協会賞最終候補作となり、「藍〓(こ)子的密室(青髭公の密室)」で同賞を受賞。その後、『合理推論(合理的な推理)』がコミックリズ百万映画小説賞の三位に入選、SF短編「時間就是金錢(時は金なり)」が第10回倪匡SF賞の三位に入選している
玉田誠[タマダマコト]
1967年、神奈川県生まれ。青山学院大学法学部卒業。台湾において日本ミステリーの紹介や台湾ミステリーの評論を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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