地層捜査

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  • サイズ B6判/ページ数 302p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163811505
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

時効撤廃で再捜査となった東京・荒木町の殺人事件。封印を解かれた町の記憶、人の記憶が照らし出す事件の真相は? 新シリーズ開幕!

内容説明

公訴時効の廃止を受けて再捜査となった15年前の老女殺人事件。当時の捜査本部はバブル期の土地トラブルに目を向け、元刑事・加納もその線を辿ろうとするが、謹慎明けの刑事・水戸部は、かつて荒木町の芸妓だった老女の「過去」に目を向ける―。

著者等紹介

佐々木譲[ササキジョウ]
1950年北海道生まれ。自動車メーカー勤務を経て、79年「鉄騎兵、跳んだ」でオール讀物新人賞を受賞。90年『エトロフ発緊急電』で日本推理作家協会賞、山本周五郎賞、日本冒険小説協会大賞を受賞する。2002年『武揚伝』で新田次郎文学賞受賞。2010年『廃墟に乞う』で直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

財布にジャック

91
地味であるからこそ、かえってリアリティの感じられる小説でした。15年も前の事件をどんなアプローチで捜査するのかが見所でしたが、佐々木さんの筆力が素晴らしいので、派手さはないものの退屈させられることなく読了することが出来ました。捜査一課の水戸部さんの今後の活躍も心待ちにしています。2012/05/08

じゅん兄

74
猟奇殺人でもなく、派手な撃ち合いもなく、最近流行の警察内の対立もない。一見地味なミステリーだが、情緒ある四谷荒木町で捜査を続ける刑事を静かな筆致で追っていく。荒木町の隅々まで想像できるほど丁寧な描写が良い。ワクワクドキドキしながら読むミステリーが好きだけど、こんな物語も悪くない。2014/03/01

雑木林太郎

53
15年前におきた殺人事件の真相を捜査官の的確な勘で暴いていく。まさに、刑事物の真骨頂のような作品だった。確かに捜査本部がどうしても見抜けなかった事実を、わずか1週間ほどで解決するなんて現実的ではないだろう。しかし、科学者が地層を観察することで、太古の昔を想像することができるように、優秀な刑事は、時間が経過した後で出てきた証言などをつなぎ合わせることで、当時ではつかめなかった事実を発見できるのだろうと納得させられた。水戸部、加納両刑事の暗さに魅了されてしまった。(加納は厳密には刑事ではないけれど)2015/03/15

よむよむ

52
私は地味な警察小説が好きだ。が、ココまで地味な作品はあまりないと思う。ただひたすら歩き回り、話を聞き、相方と話し合う。まさに、埋もれて誰にも見えない“地層”を掘り起こすかのような捜査。ベタな真相はともかく、佐々木さんらしいリアルな捜査過程の様子は臨場感タップリだ。きっかけとはいえ、冒頭のエラそうなおっさんにムカついた~2012/04/27

ゆみねこ

46
15年前に起きた老女殺人事件を、時効撤廃ということで再捜査することになった、捜査1課の水戸部刑事と元四谷署の刑事加納。四谷荒木町という狭いエリアをコツコツと聞き込みを重ね、地層に埋もれた事件の謎を追う。地味な警察小説だけど、こういうの大好き。さすが佐々木さん、一気に読了。2012/07/10

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