出版社内容情報
有能な教師の仮面をかぶった学園に潜むモンスター、ハスミンこと蓮実聖司。“モリタート”の口笛とともに完璧な犯罪が重ねられていく。
内容説明
学校とは、子供を守ってくれる聖域などではなく、弱肉強食の法則が支配する生存競争の場だ。ここから無事に生還するためには、生まれ持った幸運か、いち早く危険を察知する直感か、あるいは暴力的な才能が必要になる。2010年ミステリー界を震撼させた超弩級エンターテインメント。ノベルスオリジナル短篇「秘密」、「アクノキョウテン」を収録。このミス1位(宝島社「このミステリーがすごい!2011」国内編)。週刊文春1位(週刊文春「2010年ミステリーベスト10」国内部門)。ミステリが読みたい2位(早川書房「ミステリが読みたい!2011」国内)。第1回山田風太郎賞受賞。
著者等紹介
貴志祐介[キシユウスケ]
1959年大阪生まれ。京都大学経済学部卒。96年「ISOLA」が日本ホラー小説大賞長篇佳作となり『十三番目の人格‐ISOLA‐』と改題して刊行される。97年『黒い家』で日本ホラー小説大賞、05年『硝子のハンマー』で日推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、10年『悪の教典』で山田風太郎賞、11年『ダークゾーン』で将棋ペンクラブ大賞特別賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
159
「……開くの、今日、十時?」2014/01/03
財布にジャック
122
前から読みたかったんですが、図書館の予約人数見て諦めていたら、このノベルス版が発売になったので、嬉々として購入しました。分厚くて、通勤電車で読めなかったので、思いのほか時間がかかってしまいましたが、コタツの中で読了しました。それにしても、噂通りの凄い主人公ととんでもない内容に、ビビリました!怖いです。嫌な話です。思い出してうなされそうです。でも、何故か引き込まれてしまいます。前半の陰湿な感じと、後半の息もつかせぬ展開が、一粒で二度美味しい大変お得な小説でした。2011/12/13
くりきんとん99
120
さすがに一冊にすると自立しそうな厚さ!そして2段組!でも「新世界より」と同じく長さは感じられず、サクサク読めた。前半は、頭のいい蓮実がいかに2年4組と学校を掌握していくか、だったけど後半は、本性を出していく。ある意味すごく潔い。でもちょっと思うのは、果たして蓮実は頭がいいのか?本当に良かったらああいうことにはならなかったのでは?2011/12/31
みっちゃん
87
最初のうちは、1人殺される度に本を閉じていたのですが、そのうちページをめくる手が止まらなくなりました。まるで、ジェットコースターに乗っているようでした。1人殺す度に蓮実がつぶやく「担任としての言葉」がおぞましい。大量殺人が暴かれるポイントが、生き残った2人の証言ではなく、前段のあの部分だったのは面白かったが、すぐに蓮実にとっての「次のゲーム」が始まり、ぞっとしました。この物語の後日談はどうなるのでしょう。このイヤな感じの読後感こそが、私にとっての貴志祐介さんの醍醐味であります。2012/04/02
うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)
86
生徒指導をしている英語教師の蓮実。彼のクラスには何かと問題児が多く・・。以前上下巻として出版されたものに新たに「秘密」「アクノキョウテン」の掌篇2話を加え1冊にまとめたものです。2段組みでしかも669ページという分厚さにも関わらず後半は一気読み!ある意味期待を裏切らない展開で手に汗握りました。それにしても前半と後半の落差がスゴイですね。自分の周りに狼の皮を被った羊がいないことを願わずにはいられません。「アクノキョウテン」はある意味絶句するお話でした(苦笑)★★★★2012/02/29
-
- 和書
- 世俗の時代 〈上〉