出版社内容情報
「あなたの能力を、あなたにはない誰かの能力と交換します」。「ばくりや」の交換移植手術で新たな人生を手に入れた人々の悲喜劇。
内容説明
ご不要になったあなたの能力お取り替えします。北の街の路地裏に、その店はあった―。ハンサムでもないのに異常に女にもてる、就職した会社が必ずつぶれる。古い自分を脱ぎ捨てるため、「ばくりや」を訪れた者たちの運命は。
著者等紹介
乾ルカ[イヌイルカ]
1970年、北海道生まれ。短大卒業後、銀行員を経て、資格予備校でアルバイトをしながら、小説の執筆を始める。2006年に「夏光」で第86回オール讀物新人賞を受賞。翌年、受賞作を含む短篇集『夏光』を上梓する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
205
面白かった。実際のところ、たぶんきっと適合性なんて無関係で、ただの口実なんだろうな。2012/11/01
❁かな❁
204
初めてちゃんと乾ルカさん読みました!特殊な能力を他の能力と交換してくれるという『ばくりや』のお話。7編入り。世にも奇妙な物語みたいな感じでブラックユーモアに溢れていたり、中には泣けるお話があったりしてとても楽しむ事ができました!「さよならギューション」「ついてなくもない」が良かったです★ゾクッとしたり、ニヤリとしちゃったりといろいろ楽しむ事ができて面白かったです♪次はどんな特殊能力がでてきて、どんな能力と交換されるのかなって気になって一気読みでした☆乾さん人気なのがわかり、他の作品も読みたくなりました♪2014/06/03
kishikan
201
本のタイトルや表紙絵からはファンタジーそれともミステリ、あるいはどんな内容かな?と思っていたら、自分の特技・技能などの能力と他人のそれを交換する店の話だった。もちろん交換するのは自分にとって嫌な能力だけど、それと引き換えに備わる能力はどういったものかは分からない。だから物語としては、交換後に起こることには落ちがつく。そんなブラックユーモアに満ちた7つの話。中には、ちょっとほろりとする「さよならギューション」や最後の話のように落語の落ちのようなどんでん返しがある「きりの良いところで」もあり、苦い笑いを呼ぶ。2012/10/31
文庫フリーク@灯れ松明の火
153
例えば自分の入社した会社が必ず倒産してしまう。地方公務員になれば、その自治体が破綻してしまう。ジンクスを遥かに越えた、消えて欲しい厄介な異能力。そんな異能力同士を交換‐適合する者と相互移植してくれるのが《ばくりや》但し今の異能力と交換にどんな異能力が来るのか解らない、一種の賭け。最初の話こそ戸惑ったものの、さて次はどんな異能力なのか?この異能力は誰のところへ移植されるのか?展開を推測するのが楽しく、まして斜め上に裏切られるのは尚更美味しく。表紙・裏表紙から後味の悪い黒さも予想したのですが→続く2012/05/11
紫綺
150
「提供するものは本当に要らない能力で、なおかつかわりになにがきても受け入れる、という度量のある方にしかお勧めしません」などと宣い、人の能力と能力を入れ替える「ばくりや」。様々な能力が出てきて面白い。もっとマニアックな能力が出てきてもよかったかな。ちょっとゾッとするお話。2012/02/06




