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出版社内容情報
北アルプスの麓にひろがる安曇野の美しい自然と田舎の風景を、世界的絵本作家の著者が詩情あふれる絵と文章でとらえた大人の絵本
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
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塩の道の風景には懐かしさを感じる。安野光雅さんの安曇野、1981年。麓の集落から聳える焼岳、ここに守られている。新緑の季節に訪れたスケッチが印象的。一斉に若葉色が芽吹き、強い日差しを浴びる前の柔らかな葉が山風にゆられ、田圃にそよいでいる。移ろえば華やぎ、移ろえば色づき、初雪の風景まで描く。私の郷里にもある豊作を祈る行事、鳥追いの記載があり、懐かしさに胸が熱くなる。槍ヶ岳から上高地へ注ぐ梓川、のどかさも激しさもある。穂高の山々はこの地にやすらぎと潤いをもたらす。頂を目指す者もここに残る者も平穏を願っている。2025/09/10