原発を止める人々―3・11から官邸前まで

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  • サイズ A5判/ページ数 313,/高さ 21cm
  • 商品コード 9784163766508
  • NDC分類 543.5
  • Cコード C0095

出版社内容情報

3・11後、全国で起こった反原発運動。「普通の人」が初めて参加したと言われた。彼らのプロフィールに肉薄するポスト3・11論。

日本の脱原発は、すでに実現している。――小熊英二
世論調査で7割が「脱原発」支持。しかし、選挙では争点にならず。実際は二〇一二年五月に全原発が停止。その後も関西電力2基の稼動だけで日常生活は支障なく動いた。「民意」は、どこで、どのように示されていると考えるべきか。
いま路上で起こっていることは、新しい社会を作る機運だ――世界に類を見ない日本の反原発運動を、気鋭の社会学者が現場から徹底分析する。

誰が、いつ、どのように、行動を起こしたか。
官邸前からの証言――2012年に注目された「金曜官邸前抗議」の主催者たち5人が、原発事故直後からの流れを語る。
官邸の中からの証言――震災時の最高責任者である菅直人元首相が、その命令責任と、官邸内から人々の動きがどう見えたかを語る。
それぞれの証言――全国各地の反原発運動に参加した50人のプロフィールを、それぞれの手記で綴る。

以上の証言を踏まえ、編著者の小熊英二がこの現象をどうとらえたか、衆参の選挙分析も含め、100枚の論考で示す。

内容説明

2011年3月11日の震災と原発事故のあと、各地でさまざまな動きが起きた。都内では、4月10日の高円寺「原発やめろデモ」に1万5千人、「金曜官邸前抗議」に20万人。全国各地の街頭デモにも人々が集まり、浜岡原発の停止、首相官邸での原発停止申し入れなど、現実に一定の成果を挙げた。これらの動きに、世界でも類をみない「何かが生まれるとき」を感じた気鋭の社会学者が、日本でしか起こり得なかった抵抗の記録と分析に挑む。

目次

官邸前からの証言
それぞれの証言
官邸の中からの証言
盲点をさぐりあてた試行―3・11以後の諸運動の通史と分析
反原発デモはどのように展開したか

著者等紹介

小熊英二[オグマエイジ]
1962年東京生まれ。出版社勤務を経て、東京大学大学院国際社会科学専攻博士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おさむ

47
来年で3.11から10年。直後から自然発生した脱原発デモの記録。この映画をつくるなど熱心だった小熊英二さんが関係者の証言などを詳細にまとめた本著は歴史的史料として貴重。デモの背景に、日本は過渡期で既存の組織や政治が頼れなくなっている現実がある。本来そうした動きを受け止める政党があるべきだろう。興味深かったのは菅直人元首相の証言。あのフクシマ50にみられたように原発とは最悪の場合誰かに死んでもらう命令を出さなければならないのに、その仕組みが日本にはない。この命題は10年経った今も置き去りにされたままだ。2020/09/15

壱萬参仟縁

13
新刊棚。対話や証言から成る。デモの写真多数の表紙はそれだけで、このくにはまだ大丈夫、と思えた。九電前で母親とベビーカーで〝NONUKES〟とモデルのように闊歩するのは痛快(40頁)。母親の次世代への思いを強くする。高橋則雄氏は、40代が脱原発で闊達、たおやかな人もいると、高く評価されているのはありがたい(43頁下段)。やはり、共通した怒りは奪われし未来。また、デモへ駆り立てるのは未来世代への思いやりであろう。sustainableはここにある。罪のない者たちが脆弱で、放射能に曝露という理不尽さへの怒り。2014/01/06

gontoshi

1
色々な人々が反原発で動かれていたということを 感じます。2020/01/09

tomomi_a

0
もっとゆっくり読みます。まだ続くのだから。2014/02/25

たろーたん

0
菅直人と小熊英二の対談が面白かった。三号機が水素爆発を起こした直後、その周辺は毎時400ミリシーベルトを記録、これは10時間その場にいれば50%の人が急性症状で死亡する数値であり、一時間でも白内障になる可能性があるとNHKの解説委員が述べていた。その時、政府側が言うには、東京電力から「撤退・退避」の打診があったらしい(後に、東電側は全面撤退するつもりはなかったと主張)。この時、全員が退避していたら、最悪の場合は首都圏5000万人が避難しなければならず、東日本が長く人が済めない地帯になる可能性があった(続)2024/12/07

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