北京烈日―中国で考えた国家ビジョン2050

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  • サイズ B6判/ページ数 222p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163763705
  • NDC分類 304
  • Cコード C0095

出版社内容情報

前駐中国大使が明かす中国政府のホンネ、中国人との付き合い方……。日本国はいかにして生き残るべきかを示す衝撃の問題提起!

尖閣に始まり尖閣に終わった--中国大使としての二年半弱の滞在は、まさしく「秋霜烈日」の日々でした。尖閣諸島が日本の領土である点について一切譲歩する余地はありません。しかし、まさに日中が角突き合わすこの島にどんな価値があるのか。冷静に考えれば、それほど重要な島でないことは容易に判断できることです。 同時に、北京から日本を眺めていると、つくづくこの日本という同胞社会の島国は国際感覚がないなあ、とそう思えてしまうのです。日本の国益を第一に考えれば、領土問題についても一刻を争う問題ではなく「お休み」といった選択肢も見えてくるはずです。中国の政治家たち、共産党の有り様、国家体制、中国人の習性やものの考え方の本質に迫るべきです。そこを踏まえた上で、習近平・中国とどう付き合うか。私なりにその方法を皆さんにお示ししたいと思います。
もうひとつ重要なことは、日本の国の行く末です。 四十年後の日本に思いを馳せる。最大の問題は世界人口が大爆発する時代に逆行して、日本の人口が激減してしまうことです。二〇五〇年には日本の人口は四千万人も減る。そのことは知識としてわかっていても、ではどんな世の中になるのかと具体的に思い浮かべることは難しい。一年で百万人、およそ富山県が一つずつ無くなっていく現実がすぐ目前に迫っている。これだけ人口が減っていくのに、アベノミクスのいう「成長戦略」なるものが描けるものでしょうか。その将来の現象を想像し、我々の社会はいま何を目指すのか、まずは国家のビジョンを考えるべきではないでしょうか。改めて考えてみてください。今の子供たちの将来のために、幸せな国家にする道を、我々がぼんやりとでも指し示すことができないようでは、死んでも死に切れない。そうしたやむにやまれぬ気持ちで本書を書き上げました。四十年後の日本を考える上で、読者の皆様に僅かなりとも共感をいただければ幸いです。(「自著を語る」より)

内容説明

緊迫!!元中国大使が見つめた尖閣、バブル、そしてニッポン。

目次

序章 北京の空気
第1章 「尖閣諸島問題」のあとさき
第2章 「世界人口爆発」少子化日本の生きる道
第3章 世界の食糧は足りるのか?
第4章 二大革命を支えるもの
第5章 日本経済をデザインする
第6章 中国が始めた「壮大な実験」
第7章 習近平・中国とうまく付き合う法

著者等紹介

丹羽宇一郎[ニワウイチロウ]
前中華人民共和国駐箚特命全権大使。前伊藤忠商事株式会社会長。1962年名古屋大学法学部卒業、伊藤忠商事入社。主に食料部門に携わる。98年同社代表取締役社長。多額の負債を抱えた業績を2001年3月期の決算では、過去最高の黒字を計上するまでに回復させた。04年会長。06年10月から2年間、政府の経済財政諮問会議で民間メンバー、07年4月から3年間、地方分権改革推進委員会委員長を務める。10年6月初の民間出身、中華人民共和国駐箚特命全権大使に就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

James Hayashi

24
商社マンのトップとして君臨し、中国大使になった著者が現実味のある目でいくつかの問題を語る(2013年)。中国のバブルが弾けたが、壊滅には至らないとは著者の見解。世界第2位の経済大国になり他国への影響も多大なため支援される。長きの商社マンとして食糧に携わり現状の農業政策に一問を投げかける。不効率な兼業農家と農協の在り方。鶏卵の値段の上下の意味を知った。中国も無理のあるいまの体制から米国の様な連邦政府と地方分権が次の世代には見られる可能性もあると指摘。尖閣問題では対立でなく両国で危機管理を。2017/02/21

職商人

10
日本にも「賢者」いるのだ、と思った。しかし、その「賢者の意見」が政治、行政に活かされない。議員を選ぶのは国民だけれど、これだけ情報伝達が容易になっているのに、そのことが逆に負に作用している。真実が消される。マスコミが治世者の具になっていることを改めて痛感した。中に疑問に思う点もないではなかったけれど、議論の余地はある。真実を知るには「現場の声」を知るしかない。そういう意味で良い本だった。「永続敗戦論」を読んだ後だけに、なおさら考えさせられた。2013/09/23

Haruto Morikawa

5
私が読んだのは、今年これが文庫化されたものです。この本が発行されたのち、今年までの3年ほどの間にどのようなことが起こったかが文庫の最終章に追記されています。丹羽氏は親中派と思われている方も多いと思いますし 実際そうだと私も思いますが、この本を読むとやはり中国は侮れない、如何に隣国として接していくかを真剣に考えないと呑み込まれてしまう(日本が米国の後ろ盾があると安心していて国の将来デザインを真剣に考えて実行していかないと)と思います。素人でも非常に分かり易く読みやすい本です。2016/04/13

拓陽(いっぽまえへ)

3
丹羽氏の書籍は久しぶりで、相変わらず丹羽節が効いていて面白かった。中国の現状、将来、日本との関係について、実体験を通じて論じられ、提言があったりするばかりでなく、世界の経済や、それに伴う日本の政治経済などグローバルな視野で、わかりやすく論じられていて、大変勉強になった。中国大使の任は少し残念な終わり方をされたが、丹羽氏への尊敬の念は変わらないので、今後も益々の活躍を期待したい。2013/12/21

takao

2
ふむ2022/10/11

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