人類20万年 遥かなる旅路

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  • サイズ B6判/ページ数 501,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163762401
  • NDC分類 469.2
  • Cコード C0098

出版社内容情報

20万年前アフリカを出たホモサピエンスはいかに世界へ広まったのか。サバンナからシベリア、南洋まで五大陸を旅する稀有な科学書。

人類はいつ、どこで誕生し、どうやって世界中に住むようになったのだろう。私たちは何者なのだろうか。この謎に、現代科学は新たな光を当てている。
著者、アリス・ロバーツは英国ブリストル大学の解剖学者であり、古人類学に精通する科学者(ついでながら非常に美人)。本書は彼女が英BBCの企画で半年間を費やした、人類が数百万年をかけて世界へ広がっていった道筋をたどる壮大な旅の記録である。
現生人類、ホモ・サピエンスは「ヒト属」で最後に残った一種だ。時代をさかのぼればヒト属の系統樹には多様な種が存在していた。しかし、3万年前までには、現生人類とネアンデルタール人の2種を残すのみとなり、そして今日、我々だけが残った。

現生人類がアフリカで誕生したことは、様々な証拠からほぼ確実となっている。そこから20万年前に「出アフリカ」が起こり、アジアへ渡り、インドをめぐってオーストラリアにまで至った。さらに、ヨーロッパへ広がった者たちは北上してシベリアを経由し、最後にアメリカへと行き着いた。著者はアフリカから出発し、この人類の足跡を追う。
灼熱の地の狩猟採集民族や、シベリアの極寒の中でトナカイを遊牧する民族らと過ごし、最先端の遺伝子研究で祖先たちの分岐を明かすラボを訪れ、石器の作成に挑み、壮大な神殿のような洞窟の壁画に圧倒される。著者は自ら人類の進化を追体験し、その風景を生き生きと語る。いわゆる研究書とはまったく異なる筆致で描かれる旅路は知的興奮と感興に満ちている。そして世界各地で筆者が出会う研究者たちも実に魅力的。
自らのルーツに思いを馳せ、最先端の人類学のナマの現場で得られる知見に驚嘆する、第一級のサイエンス・ノンフィクションにして紀行文、「古人類もの」の決定版です。

内容説明

「太古の人類の足跡をたどり、世界中の人々に会い、人類の遺物や化石をじかに見て、真の意味を探究する人々の聖地とも言うべき土地を訪れる旅に出かけませんか」と誘いを受けた時には、一も二もなく承諾した。著者は人類の祖先を探す旅に出かけた。英国の美人人類学者が出アフリカから南米到達までを踏査する。

目次

第1章 すべての始まり―アフリカ(現代に生きる狩猟採集民との出会い―ナミビア:ンホマ;アフリカの遺伝子―南アフリカ共和国:ケープタウン ほか)
第2章 祖先の足跡―インドからオーストラリアへ(灰の考古学―インド:ジュワラプラム;熱帯雨林の狩猟採集民と遺伝子―マレーシア:ペラ州レンゴン ほか)
第3章 遊牧から稲作へ―北アジア・東アジア(内陸での集団移住―中央アジアへのルート;氷河期のシベリア人の足跡をたどる―ロシア:サンクトペテルブルク ほか)
第4章 未開の地での革命―ヨーロッパ(ヨーロッパへの途上―レヴァント地方とトルコの現生人類;海を越えてヨーロッパへ―トルコ:ボスポラス海峡 ほか)
第5章 そして新世界―アメリカ(大陸をつなぐ―ベーリング陸橋;アメリカ先住民のヒトゲノム解読―カナダ:カルガリー ほか)

著者等紹介

ロバーツ,アリス[ロバーツ,アリス] [Roberts,Alice]
1973年生まれ。英国出身。医師。1999年からブリストル大学で解剖学の講師を務める。2012年よりバーミンガム大学教授。古生物病理学の博士号を持つ。解剖学から見た進化を研究対象とし、人類の体がどうやって今のようになったかの研究を行っている。大学外での一般に向けた科学啓蒙にも深くかかわり、学校や地域での講演や、科学フェスティバルへの協力を数多く行ってきた。テレビの科学番組にも多く出演。ブリストルに夫のデイヴと在住

野中香方子[ノナカキョウコ]
翻訳家。お茶の水女子大学卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

JiRO

14
「人類の祖先を知ること」、「(直近のみでなく)人類の歴史を知ること」がこれからの人類の営みに関わることなのだな、と感じる。人類の誕生や進化に関する学問は考古学でしょう、と簡単には考えていたのだけれど、遺伝子学や地層学等々さまざまな学問領域が関わっていて、各々の学問領域によって、また学者によって見解や予測は異なるものなんだなぁ、と感心。DNAの件や系統樹など、ちょっとムツカシイ箇所もあったが発見が多かった。元を辿れば皆兄弟、国籍や思想で区別せず共存して生きていきたいです。2021/09/24

Yuri Mabe

12
単にBBCの特集番組を文字起こししたものではない。アリス博士の学術的な見識が盛り込まれ、かつ番組を作る中での細かな体験の描写が加わっている。読後少し番組も見たがやらせ感がある編集よりよほど迫力がある。内容はこれはTV向けだったおかげか無駄なくよくまとまっている。翻訳もよく文句なし。遺伝子分析により人類の祖先が明らかになることが素晴らしい一方、5万年の時を超えてアボリジニの南下の足跡を語り継ぐソングラインのエピソードも心を打つ。2016/06/02

はまななゆみ

12
我々人類は皆、アフリカで生まれたホモサピエンスの子孫であり、数万年前に長い時間をかけてアフリカからアジア、ヨーロッパ、アメリカ等世界中に拡散していったのだという。だとすると、西洋・東洋とか人種とかってなんなのかなって考えさせられました。2015/04/05

cape

10
各地で遺跡や遺物に触れつつ、さまざまな説を紹介しつつ、アフリカから始まったとされる現生人類がどう広まったかを追っていて、興味深い。最新の知見では、それが塗り替えられているようで、興味はつきない。アフリカでどのように生まれたかに触れられていないのは残念。20万年はあまりにも遠すぎて、壮大なロマンを感じるが、今生きる1日って一体なんなんだろうな、なんて思ってしまった。最後のとってつけたような環境問題への意見は蛇足。この分野の研究の難しさはタイムマシーンでもない限り、正解かどうかがわからないということかも。2015/06/28

勝浩1958

10
現生人類の起源はミトコンドリアDNAの解析からアフリカであることが分かっていて、我々の祖先はいつアフリカからどのルートを通って出て行き、各大陸にどのように広がって行ったのかを確かめるために、これまでの遺伝子研究成果や遺跡や化石の記録によって導き出された推論をもとに、著者が実際に世界中の遺跡を辿っている。スティーヴン・オッペンハイマー著『人類の足跡10万年全史』と併せて読むと一層楽しめる。2013/06/23

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