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本のなかの旅

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  • サイズ B6判/ページ数 243p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163758305
  • NDC分類 019.04
  • Cコード C0095

出版社内容情報

吉田健一、ヘミングウェイ、開高健、チャトウィン、大岡昇平……古今東西19人の作家たち。なぜ彼らはこれ程旅を愛し旅を記したのか。

内容説明

18人の旅びとたち。旅をせずにはいられない「歩く人びと」が書き残した、旅の本をめぐるエッセイ。

目次

宮本常一―歩かなければ見えないもの
内田百〓(けん)―用事がないから汽車に乗る
ブルース・チャトウィン―歩く人の神様
吉田健一―一杯の天ぷら蕎麦
開高健―永遠に、幸わせになりたかったら
ル・クレジオ―すべては結ばれている
金子光晴―かへらないことが最善だよ
今西錦司―そこに山があるから
アーネスト・ヘミングウェイ―川には鱒がいて
柳田國男―「なにヤとやーれ」の歌声
田部/重治―そこに自由があるから
イザベラ・バード―東北へ、もっと奥地へ
中島/敦―光と風のなかで
大岡/昇平―「留学」作家の孤独
アーネスト・サトウ―時代の空気
笹森/儀助―そのとき南の島では
菅江/真澄―「北」にみいられて
R・L・スティヴンスン―至福のとき

著者等紹介

湯川豊[ユカワユタカ]
文芸評論家、エッセイスト。1938年新潟市生まれ。1964年慶應義塾大学文学部仏文科卒、文藝春秋に入社。『文學界』編集長、同社取締役などを経て退社。2003年4月から東海大学文学部教授、京都造形芸術大学教授を歴任した。2010年『須賀敦子を読む』で読売文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯

39
自分で旅に出るということはあまり無いのだけれど、紀行文を読むのは大好きという私にとって、この本は、新たな読みたい本を連れて来てしまう危険本だった。案の定、読んでみたい本が増えてしまった。それはうれしいことなのだけれど。もっと読みたい。読書という旅に出たい。2016/09/28

ホークス

35
本の旅から書き手の本質に迫る一冊。宮本常一は「昔ながらの共同体的世界」と「貧困からの解放」という矛盾を同時に志向した。内田百閒は気難しさで虚無を隠し、それが不意に滑稽味や異界として現れる。吉田健一は孤独の味わいを酒と食物で表現しようとした。田部重治の山旅記が示す酩酊感は興味深く読んでみたい。笹森儀助による維新後の沖縄踏査は、悲惨な生活実態への義憤に満ちている。空気嫌いとしては、日本人の「空気に従う生き方」に、空気からこぼれた人の切り捨てを看過して恥じない陰湿さを感じる。儀助の公平さ、大らかさを愛する。2018/04/21

踊る猫

32
湯川豊というエッセイスト(?)の本を読むのはこれが初めて。もっと著作を追い掛けたくなった。『夜の読書』を読んでみようか……本書で紹介されている作家たちの内、取り分け金子光晴を読みたくさせられる。文章は平たくて深い。小難しいところがない。伸びやかな文章で、こちらを唸らせる。読んで良かったと思った。ただ、もう少しディープな評論を読みたくもさせられたのだけれど、池澤夏樹のような体質を持つ書き手と見受けたので、そういうコアな批評眼を期待するのは酷というものなのかもしれない。金子光晴の『どくろ杯』を早速読んでみたい2019/01/17

あきあかね

18
 内田百閒、開高健、ヘミングウェイ、イザベラ·バードなど、国内外の18人の旅にまつわる本をとりあげている。長年文藝春秋で編集者を務めた著者だけあって、それぞれの本の背景や全体像をコンパクトにまとめつつ、本の肝、読みどころを的確な引用とともに示してくれる。時折、著者の趣味の釣りについての箇所で筆が熱くなるのも微笑ましい。 旅にまつわる本、というと血湧き肉躍る冒険譚が中心かと思っていたけれど、しんとした旅情を帯びたものも多い印象を受けた。⇒2019/04/22

つーさま

10
<見知らぬ土地の話を聞くのが病的に好きだった。>そう言ったのは村上春樹の小説の主人公だが、この本はそうした人にはたまらない一冊だと思う。ブルース・チャトウィン、金子光晴、吉田健一など旅に生きた彼らを何が旅へと駆り立てたのか、そして彼らの残した作品がなぜこれほどまでに人を惹きつけるのか、流麗な筆致で綴られている。時代も国境も越えた旅に思いを馳せ、読み進めていくうちにまるで旅に出たような気分になった。そう、本の中では誰でも旅人になれるのだ。2013/06/06

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