出版社内容情報
「友がみな我よりえらく見える日は」の作者による人物コラム。人間とは、日本人とは何かを誰よりもスタイリッシュに深く伝える名文集
希望退職を強いられたサラリーマン、パチンコ中毒の妻に悩まされる夫、交通事故で新婚の息子を亡くした父親、「婚活」に翻弄される男女……本書に登場するのはけっして特別な人ではありませんが、それぞれ心の中に物語を持っています。ベストセラー『友がみな我よりえらく見える日は』で、“日本のボブ・グリーン”とも評された著者・上原さんは、無名の人たちにそっと寄り添い、話を聞きます。さりげない筆致ながら、胸には静かな余韻が残ります。原稿を読んだある方は、「まるでアキ・カウリスマキの映画のようだ」と漏らしました。押しつけではない感動と、人生への再発見に満ちた傑作コラム・ノンフィクション集です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おいしゃん
35
ちょっと不運な、ときおりだいぶ不運な人たち23人に寄り添い、コラムにまとめた本書。それにしても職業はもちろん、世代も国籍もバラバラな人たちの懐に入る取材力はすごい。2022/09/24
団塊シニア
24
相変わらず鋭い人間観察力、普通の人を普通に描く上原作品23のノンフィクションコラム、丹念な取材とリアルに表現する筆力はさすがです。「八年目のファクス」「パチンコ」は余韻の残る作品でお薦めです。2012/12/24
R
22
様々な生き方を描き出したドキュメンタリ連作ともいえるような本でした。面白いんだけども、内容がどこかほの暗くて重たい。不幸や悲しさ、言いようもない孤独や、つまらないことなんかに囚われた人たちにインタビューをしたものをまとめてあるのだけども、どこか希望が持てる話しぶりであったり、逆に、もうどうしようもないと思えるような状態であったりが、当人の言葉で語らせているというか、聞き出しているのが凄いと思いました。生きるって本当に色々だ。2016/04/13
ステビア
21
大好きな上原隆の一番新しい本。相変わらず人生の悲喜こもごもを鮮やかに切り取っている。もはや職人芸だね。これで彼の本は全て読んでしまったことになる。新刊、待ってます。2015/03/30
カッパ
15
2012年の作品。だいぶ、今にちかづいた。このなかではずっと母を殺したかったというアルコール依存の母親の話とパチンコの話が身につまされる。依存がこんな日もあるさとかたづけられるかはちょっと微妙であるからである。「婚活」などもでてきたり「声にならない悲鳴」など、発達障害を思わす博士の話などもあり興味深かった。2020/01/10
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