不登校児 再生の島

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  • サイズ B6判/ページ数 422p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163751108
  • NDC分類 371.45
  • Cコード C0095

出版社内容情報

6年間学校に行けなかった不登校児、ゲーム中毒、引きこもり……問題児たちが沖縄・久高島の生活、学校で見事に甦る、感動の物語。

教育とは何かがわかる感動の物語

 沖縄本島南部に浮かぶ久高島に、「久高島留学センター」という施設があります。ここにやってくるのは不登校、引きこもり、家庭内暴力などの問題を抱えた子供たちばかり。
 六年間不登校のユウスケ、ジャンクフードしか食べない肥満児ゴン、根性焼きの跡が生々しいノノカ……。
センターではごくシンプルな教育方針だけを子供たちに課しています。
・規則正しい生活をする。
・自家栽培野菜中心の食生活。
・ケータイ、ゲーム、テレビは禁止。
 ……たったこれだけで、子供たちは見事に再生します。六年間不登校のユウスケが一週間で学校に通いだし、ゴンも走れるようになる。
奥野修司さんは二〇〇六年から島に通い続け、子どもたちの成長ぶりを観察してきました。その集大成が『不登校児 再生の島』です。
子どもをもつ親や、コミュニティとの疎外感を感じる現代人に、大きな感動と示唆を与える作品です。

目次:
プロローグ ゴンの告白
第1章 不倶戴天の敵 すぐキレる 肥満、激しい物忘れ…問題児ゴンが島にやってきた。訳あり仲間と衝突を繰り返しながら、次第に彼は逞しさを取り戻した。

第2章 宇宙人の涙 自分を大きく見せるために嘘ばかりつき、周囲を敵に回しつづけるクニ。彼が抱える底知れぬ孤独の裏には、異常な母子関係があった。

第3章 僕には友達がいない 他人との接触を避け、ひたすら絵の創作と海岸でのゴミ拾いに没頭するソウマ。「人の感情がわからない」彼が、徐々に意思疎通できるようになってゆく。

第4章 ふたつの顔をもつ少女 底抜けの天真爛漫さで周囲の明るさと和みをもたらす不思議な少女ノノカ。だが島にやってくる前の彼女は、不良グループのしがらみに苛まれていた。

第5章 筋金入りの不登校児 六年以上もひきこもり生活を送ってきたユウスケ。激しい抵抗の末に島にやってきた彼は、二週間ほどで学校に通い始めた。一学期は無事に終えたが…

第6章 なが~い夏休み 二学期が始まったが、ユウスケは島に戻ってこなかった。それでも子供たちは軋轢を繰り返しながら成長してゆく。そんな中、ある計画が持ち上がった。

第7章 ユウスケを連れ戻せ 冬休み。ゴン、クニ、ノノカははるばる熊本までユウスケを迎えに行った。突然の友人の来訪にうろたえるユウスケだったが、島に戻ることを決意した。

第8章 センターの誕生 「宮沢賢治になりたい」坂本は青雲の志をもって久高島にやってきた。だが、一期生を集めてスタートしたものの、数々の困難が待ち受けていた。


卒業式
3月中旬のある日、久高島の港で毎年恒例の儀式が始まった。
「そ・つ・ぎょうぉ~、オメデトウ!」子供たちは制服を着たまま、約5メートル下の海面に向かっていっせいに宙を舞う。寒さの中でも笑顔を絶やさぬ子供たちを見て、親たちはわが子が生まれ変わったことを確信していた。


僕には友達がいない
ソウマは、わたしが久高島にやって来るたびに、これ見よがしにわたしの前で絵を描いた。わたしに話しかけることも、自分の絵を自慢することもなく、ただ黙々と描いているだけだった。絵には怒り、爆発、怨嗟、狂気など人間が持つ闇の部分が横溢していて、まるで彼の内面がそこに投影されているように見えた。


シンプルな生活、野菜中心の食事
子供たちは朝6時までに起床し、7時に朝食を済ませて学校に行く。放課後は部活のほか農作業があり、自分たちで食べる野菜はなるべく自分たちで作っている。ケータイ、ゲーム、ファストフード等は一切なく、夜10時には就寝する。このシンプルな生活を続けているうちに、子供たちは心身ともに健康になってゆく。


追い込み漁
久高島には、子供が13歳を迎えた年の3月3日(旧暦)に「追い込み漁」をさせる伝統がある。もともとは一人前の海人になるための通過儀式であるが、現在は学校行事として新暦6月に行われている。子供の親も強制的に参加させられ、力を合わせて網をたぐり寄せていく。子供とその家族が島の人たちとのつながりを確認する瞬間である。


最後の3000メートル
9月の運動会では、島中が沸き立つ3000メートル走がある。引きこもりで怠惰な生活を送っていた子供たちにとっては、気が遠くなりそうな長距離である。しかし、センターの生活で健康を取り戻した子供たちは、なんとか完走する。そして、完走できたことの喜びが自信となり、他のことにも積極的にチャレンジするようになるのである。

内容説明

沖縄本島南部に浮かぶ久高島。わずか人口250人超の過疎の地に、農業を実践しながら中学校に通える「久高島留学センター」がある。だが、全国各地からやってくるのは、不登校、引きこもり、いじめなどで家にも学校にも居場所がなくなった問題児ばかり。テレビもゲームもないゆったりとした時間の流れと大自然の恵み豊かな生活の中で、子供たちは心と身体の健康を取り戻し、不登校や引きこもりから脱却してゆく。そして、子供の問題の真の原因は親にあること、親が変わらなければ子供も変わらないことが明らかにされる。すべての子供をもつ親に深い感動を与えるノンフィクション。

目次

プロローグ ゴンの告白
不倶戴天の敵
宇宙人の涙
ぼくには友達がいない
ふたつの顔をもつ少女
筋金入りの不登校児
ながーい夏休み
ユウスケを連れ戻せ
センターの誕生
いまだ変身の途上〔ほか〕

著者等紹介

奥野修司[オクノシュウジ]
1948年大阪府生まれ。立命館大学卒業。78年から南米で日系移民調査に従事。帰国後、ジャーナリストとして活動。2006年、『ナツコ 沖縄密貿易の女王』(文藝春秋)で大宅壮一ノンフィクション賞、講談社ノンフィクション賞をダブル受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

4
あの久高島にこんな施設があるってことにまずビックリ。子どもたちの問題を親のせいだとか家庭のせいだとか書いているけど、子どもたちの様子を文章でうかがう限り、これは持って生まれた発達障害だろう、という子が多いのでなんでもかんでも家庭のせいにするのはいかがなものか。ページ数のわりに散漫で、子どもたちの深くまでは取材しきれていない印象が残った。2014/01/10

Hiroki Nishizumi

3
センターの経緯についてよく分かった。不登校児の実態についてはある程度想像していたが当事者の苦労は当事者しか分からないだろうな。あとユウスケの父親のバスのエピソードは常識では考えられないが沖縄らしい話しかも。2017/10/24

セニー

3
坂本さんの考え方にはこれは素晴らしい、共感出来ると思ったものも多々あったが逆にこれははたしてどうなんだろう、、、?と思った部分も複数あった。ただこのような施設が増えて欲しいとは思った2014/05/24

あゆみ

2
個人的に、あの久高島留学センターのシステムがあまり好きじゃありません。プライベートが無く、金銭も一切持たされず、イベントには強制参加。オマケに肉は殆ど食べれない。一々、ウザくて仕方がないです。私だったら、つい被害者意識が芽生えてしまいそうな場所だなと、感じました。2019/02/23

rinrinkimkim

2
奥野さん続きで読んでみましたが、ナツコほどの衝撃はなく・・淡々と進んだかんじ、ただ内容は大変重く、子育て中の皆さまには大変響く1冊ではないでしょうか 奥野さん、これにておしまいかな~2016/09/05

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