出版社内容情報
検察を揺るがした「大阪地検証拠改ざん事件」。犯人隠避で逮捕された特捜部長の衝撃の獄中手記。
内容説明
「逮捕する側」から「される側」へ墜ちたとき。最高検は私が隠ぺいを主導したとして「内部調査」の名のもとに9日間の捜査をおこない、前代未聞の元特捜部長逮捕へ踏み切った。だがその間、私は密室内での緊迫感溢れる取り調べの模様を克明に記録していた。また逮捕後は、拘置所に入って初めて知った被疑者の苦悩、家族への思いなど、胸に去来する事柄を日々ノートに綴りつづけた。―衝撃の獄中手記。
目次
プロローグ 元特捜部長の苦悩と鎮魂
第1章 逮捕の夜
第2章 最高検との攻防
第3章 恐るべき検察権力
第4章 内なる敵との戦い
第5章 私の二十七年間の検察人生
第6章 天意
エピローグ 一生分の涙
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
115
この逮捕劇は何か検察にとって意味のあることなのかと思った。それにしても最初の供述のシーンが同じような話でページめくらずに同じ所を読んでるんじゃないかと思うくらい繰り返しが尋問のやり方なんだなと感じた。特捜の部長とあるが、何故か普通のサラリーマンが逮捕されちゃったかのような印象。2014/01/13
mazda
29
ある検察官が証拠を改ざんした件の事件である。改ざんの事実を知らないのに、その責任を取らされる形で身柄を拘束された大坪さんは、間違いなく被害者である。検察は一度犯人だと決めつけたら、明らかに事実と異なったとしても、その脚本を変えることができない組織なのだろうか?同じように訴追され人生を棒に振った一般市民がたくさんいることを、司法に関わる人たちは肝に命じてほしい。2014/01/24
ひとまろ
9
本当のところ、真実はどうだったのかは よくわからないけれども・・・ 本書を読む限りでは彼は検察に切り捨てられ 罪を被せられてしまった。。。とみるのが正解かも。 取り調べる側が取り調べられる側になってしまった! という特異な環境だからこれだけ注目もされたのかもしれない。 全編が真相に迫る内容かと思いきや 途中で彼が関わった事件の話が盛り込まれていた。 編集者の意図なのか書籍にするにあたり原稿が足りず かさ上げしたのかは不明。。。2013/12/10
こぶたとともに@こぶrin☆永遠の17歳
6
前半は拘置所内での生活や接見内容、後半は自らの生い立ち・家族関係・検事生活の回想。検事生活の回想で自らの功績を語るなど、検察への未練の深さを感じさせる。最高検による組織防衛と断じるなら、組織防衛の内実に切り込む内容を書けばいいのに。村木さんに拘置所生活を強いたことに「同情の気持ちと申し訳ない気持ちが心に湧き上がってくる」(294頁)とするが、捜査の過誤を積極的に検証する記述はない。公判廷で実際にお見かけした大坪氏は被告人として威風堂々な振る舞いを見せていたが、繊細でひ弱な面を垣間見た1冊だった。2012/06/15
akira9017
6
前半はそれなりに読むべき箇所が多かったが、後半は自慢話が多かった。 それに村木氏に対するコメントが少ない(皆無)のはいかがなものかと思う。生贄されたとの記述もあったが、本気で最高検と勝負するのなら、知っている検察の膿を大坪氏の口から吐き出すべきではないかとも感じた。2012/05/18