長春発ビエンチャン行―青春各駅停車

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  • サイズ B6判/ページ数 380p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163746302
  • NDC分類 916
  • Cコード C0095

出版社内容情報

その人は1人涙を流していた。長春の学生寮で知り合ったラオス人のドゥン。北京、東京、ビエンチャン。彼を追って私の旅は続く。

内容説明

思い返せば、悲しく、虚しく、そして激しい。長春、ビエンチャン、東京…三つの都市の間をあてもなく迷走していた私の二十代。父の足跡をたどる旅と並行して進んでいたもう一つの物語。何度も脱線を繰り返し、あちこち寄り道しながら、各駅停車の旅のように進んでいった青春の日々―。著者の中国留学中の書かれなかった、もうひとつの物語。大宅壮一ノンフィクション賞・受賞第一作。

目次

第1章 1997~1998―長春の留学生寮で
第2章 1998~1999―さよなら ふたりの長春
第3章 2000―逢いたくてビエンチャン
第4章 2000~2002―曇り硝子の東京
第5章 2002―ビエンチャンふたたび
第6章 2002―甘くないベトナム
第7章 2002―ビエンチャン片思い
第8章 2002―私の戻る場所

著者等紹介

城戸久枝[キドヒサエ]
1976年、愛媛県生まれ。徳島大学総合科学部卒。父親は日中国交回復前に、日本帰国を果たした中国残留孤児。その半生を知りたいと、大学在学中の1997年から2年間、国費留学生として吉林大学(吉林省長春市)に留学。留学中の調査をもとに父親の不屈の軌跡を描いた『あの戦争から遠く離れて』(2007年)は大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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kiho

12
中国、ラオス、ベトナム、日本…20代だった作者がアジア各国を巡ることになるきっかけは、1人の男性との出会いだった⭐同じアジアでも理解できること、できないこと…恋愛だからこその難しさやつらさ、もどかしさを含め、自らの感情が丁寧に綴られている♪真摯に過ぎた恋を振り返って書いた姿勢にも共感!2015/03/18

makimakimasa

8
中国長春留学中に出会ったラオス人との4年越しの恋物語。これは切ない!追われる立場が追う立場に逆転して振り回される。想いを切り出せないのがもどかしい。下手な恋愛小説よりずっと読み応えある。お互いの実家を訪れたり、ルーツのあるベトナムまで足を延ばしたり、恋の旅路が終わりに近付くにつれ切なさも募る。国境を越え、周りの人間関係に支えられ、心の機微に触れ、一途に想い続けながら、最終的には別の人との結婚を前に、忘れかけた過去の思い出としてさっぱり振り返る様は、男の自分には何となく寂しい。そこがまた良いんだけど。2020/03/20

勇ましいチビのノリ公

4
初めはよくある留学先での恋愛沙汰かぁ〜、と、食傷気味に読み始めた。 ところが、中盤から話に引きずり込まれて一気に読了! 序盤の出会いやら出来事やら、あまりにも好みでなくて、中盤以降も勿論サエさんの思考が苦手と感じていたはずなのに。 気がついたら、引きずり込まれて夢中になってた。 万人にお薦めは出来ないけれど、お薦めしたい! 文庫になったら買おうっと。 2012/01/24

midnightbluesky

3
留学先での恋愛を書いているが、異国であることが単純な若き日の恋話に色を添えてくれている。格好つけならないのは舞台がアジアだからか。焼けつくような焦燥感、好きな人の心が読めない苦しみ、感情のすれ違いは青臭くて、こういう恋愛話にはつきもので苦笑。ただ“あの頃”はヘンだとも思わない疾走感やいちずさがいじらしい。著者の東京でのくすんだOL生活は、共感できるものがあって、会社の人はいい人ばかりなのに何だかつまらない、という部分は妙に印象深かった。2012/05/20

りょうりょう

3
海外留学での恋愛話。彼女であるサエさんの純粋さに、自分の青春時代のなつかしい感じを思い出した。彼氏のドウェンは、優しい男との表現だが、彼女から金は借りるは、はっきりしない性格で、私から見たら最低なランク。2012/03/16

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