出版社内容情報
生前は要注意人物、死後は自由主義者として排撃、戦後は民主主義者としてGHQ公認!? 1万円札の肖像におさまるまでの毀誉褒貶を描く。
内容説明
「日本の顔」は、なぜ明治政府から「密偵」を放たれ危険人物扱いされたのか。そして、なぜ占領下で復権したのか。「民」の巨像(福沢諭)vs.「官」の巨大権力(明治政府)。
目次
序 「民」の巨像
第1章 政治構想
第2章 「官」との軋轢
第3章 「官」の包囲網
第4章 「官」の評価
第5章 復権
著者等紹介
小川原正道[オガワラマサミチ]
1976年、長野県生まれ。1999年、慶應義塾大学法学部政治学科卒。2003年、慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程修了。博士(法学)。近代日本政治史・政治思想史専攻。現在、慶應義塾大学法学部准教授、慶應義塾福沢研究センター所員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
南北
36
明治時代から戦後にかけて福沢諭吉に対する見方がどのように変化したのかを述べている。特に明治時代は福沢を危険視する官僚が密偵を使って情報収集する一方で、福沢も慶應義塾の人脈で「官」の動向をかなり知ることができたという点は興味深く感じた。また大久保利通暗殺を喜んでいた慶應義塾の塾生に対し「暗殺の如き野蛮の陋習に同情を寄せるが如きは怪しからぬ事である」とたしなめている点は安倍氏暗殺が記憶に新しい現在、特に印象に残った。いずれの時代も福沢の実像ではなく、自分に都合の良い部分だけで解釈している点が気になった。2022/09/21
霜村
1
福翁自伝の参考として。 軍国主義下では虐げられていた福沢の論説が、戦後民主化により復権していく様が面白いです。2013/11/22
夢仙人
0
そこそこ。2019/07/13