出版社内容情報
向田邦子を誰よりも讃仰している太田光による最も誠実なオマージュ。向田邦子ファン、また向田邦子を読んでいない太田ファンへ。
内容説明
太田光が選んだベストエッセイ・小説・シナリオの名シーンの原文を掲載。没後三十年向田ワールドの最強の向田論、最高の入門書。
目次
1 ぼくはこんなふうに向田邦子を読んできた(奇跡のような小説―思い出トランプ;沈黙という、至福の表現―あ・うん;“人”と“幸福”との距離―隣りの女 男どき女どき(小説)
向田邦子にしか書けない作品―寺内貫太郎一家
色彩鮮やかに心を伝える―父の詫び状 ほか)
2 向田邦子が書いた女と男の情景(向田邦子の不在の大きさ;浮気をされても腹は減る;男は女にかなわない;ダメな男をかわいがる;強いけど、もろい人―妹・和子さんに聞く)
著者等紹介
太田光[オオタヒカリ]
コメディアン、エッセイスト、作家。1965年、埼玉県生まれ。84年、日本大学芸術学部演劇学科入学。86年、中退。88年、田中裕二と漫才コンビ「爆笑問題」を結成。93年度NHK新人演芸大賞、2006年、芸術選奨文部科学大臣賞受賞。2010年には『マボロシの鳥』(新潮社)で小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hammer.w
24
太田さんはこの方を日本の様な方だと評している。爆笑問題カーボーイのリスナーである自分は"暴走"といわれる動きと本当に伝えたい時の言葉の使い回しの際にこの方が脚本を書いたドラマの登場人物のようになると感じた。見方によって人はいくらでも面白くなる。2019/11/18
naotan
19
向田さんの著作をただ薦めるだけでなく、どんなところに感動し、深読みしてきたかを、懇切丁寧に表現する熱意に痺れました。この本も、1万円選書で選ばれなかったら読んでなかったなあ。嬉しい出会いでした。2020/06/24
アン・シャーリーこと寺
19
太田光という人は、松田優作や太宰治、坂本龍馬にこの向田邦子といった夭折したスターが好きな人だ。その人達のキラキラした才能に真っ直ぐに憧れている。少年の様だ。この本を読んでも、そういった太田さんの少年性を強く感じる。太田さんの文章はあまり軽みが無く、その分析もあまり同意しない部分もあるのだが、この人がきちんと自分自身の言葉だけで語ろうとしているもどかしい誠実が伝わる。私は近いうちに必ず『あ・うん』を読むだろう。2012/04/09
カバミ
14
向田邦子ファンの友人の勧めで手に取る。太田さんから向田さんへのラブレター。内容も良かったが、それよりも太田さんの文章がとても素晴らしかったので、太田さんの小説を読みたくなった。2017/01/15
ぐうぐう
13
『向田邦子全集』刊行時、購読の楽しみは、もちろん彼女の作品を読めることが一番なのだけれど、月報に連載されていた太田光のエッセイも、大きな楽しみのひとつだった。その月報連載のエッセイを含む、太田光の向田邦子愛が溢れてくる1冊。太田光が選ぶ向田作品ベストも収録されているので、向田邦子入門書としても最適だ。向田作品に感銘を受け、とことん彼女を愛する太田も幸せだけれど、ここまで愛された向田も、きっと天国で微笑んでいることだろう。2011/09/05