出版社内容情報
昨日よりはラクな気持ちで生きるための「とっておき」の知恵。小気味いい率直な語りは、あたかも散文詩集のような読みやすい体裁にまとめられる。
内容説明
「抱き合いなさい」九十一歳の自由人、金子兜太。溢れ出るいのちの言葉。
目次
第1章 問われて答う(「幸せ」と「不幸」をどうとらえるべきか;努力と運の良し悪し;これまでの人生に自己犠牲はあったか ほか)
第2章 生い立ち来たるところ(糞尿愛好;糞尿と親しき村;漆と結婚 ほか)
第3章 戦争と俳句―戦地で俳句と訣別し、戦地でふたたび俳句に会う(海軍詩人・矢野武中佐との出会い;矢野中佐の思い出;帰国途中で命を落とした矢野中佐 ほか)
著者等紹介
金子兜太[カネコトウタ]
俳人。1919(大正8)年9月、埼玉県生まれ。東京帝国大学経済学部卒業。旧制水戸高校在学中に全国学生俳誌「成層圏」に参加し加藤楸邨に師事する。日本銀行に入行し、従軍を経て1947(昭和22)年に復職。1974(昭和49)年に定年退職。2010(平成22)年、毎日芸術賞特別賞と菊池寛賞を受賞。現代俳句協会名誉会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yumiha
30
98歳で亡くなられて1年。誌友さんレビューで読んでみたいと思ったんだけれど、探しても見つからなかった。勘違いかなぁ。「おおらか、どっしり、御大」というこれまで抱いていた金子兜太のイメージそのものの本。ゆ~めいな「水脈の果 炎天の墓碑を置き捨てる」の句のように、非業の死を遂げた戦友たちへの想いを引き摺っておられた・・・だけではなく、フンドシ一本で暮らせる解放感みたいなものを感じておられたのは意外だった。「元日や餅で押し出す去年糞」という兜太パパの句、お雑煮を口にするたび思い出しそう💦 2019/05/09
みむら しんじ
1
呑読会のんどくかい、のおとっつぁんどもに聞くと「俳句をやりたかった」と僕も含めて口を揃えて言う(笑) 御年九十数歳の俳人・金子兜太の伸び伸びとしたエッセイ。 「好き嫌いにこだわっていることに、馬鹿馬鹿しさみたいなものを感じないか。本能的な、原始的な人間の感覚を取り戻せ」と。2013/11/27
まっちゃん
1
良い本でした。2012/04/25
あまがえる
1
91歳の俳人のエッセイ。いや、エッセイなんて軽い表現は不似合いか。読み終えた時に、シャガールを思い浮かんだ。人の二倍の長寿を生きたシャガールが幼少時のロシアの風景だった道端で脱糞する人をカンバスの隅に描いたという・・。金子さんも幼少時に肥溜めに糞尿をしたおばさん、野糞が好きな父親に育まれ、90を超えた今、回帰している。二人の驚くべき共通項。2011/06/05